散瞳検査とは?検査で分かる事や注意点を解説
2021.11.15
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白内障の検査には、散瞳検査(さんどうけんさ)も用いることがあります。
散瞳検査は、眼科ではとってもポピュラーな検査の一つで、目薬を使い、瞳を開く検査方法です。
今回はこの、散瞳検査(さんどうけんさ)で分かることや注意点について詳しく解説します。
散瞳検査とは
冒頭でも軽く触れましたが、散瞳検査(さんどうけんさ)とは、目薬で瞳を大きな状態にして、眼の奥や水晶体の状態を詳しく調べる検査のことを言います。
通常、瞳の大きさは周囲の明るさで変化し、明るいところでは小さくなり、暗いところでは大きくなります。
自然に瞳孔を大小させて、光を取り入れる量を調整しているのですが、検査では、散瞳薬を使って大きい状態にしておこないます。
散瞳検査時の注意点
散瞳薬という目薬を用いると、瞳孔が大きくなるので光をまぶしく感じるようになります。
この症状は5~6時間ほど続き、手元などの近い物まで見にくくなるので注意が必要です。
時間の経過で自然に戻る症状ではありますが、眩しさを感じる間は、車の運転や自転車を控える必要があります。
そのため、散瞳検査を行う場合は、十分に時間を取れる日に予約するようにして下さい。
近くのものがボケてみえるため、細かな手元の作業などもできなくなります。
また、糖尿病や、ぶどう膜炎、高齢者などは散瞳薬の効きが弱い傾向があります。
目薬の効きが弱い方は効果があらわれるまで1時間程かかる場合がありますので、来院の際は時間に余裕を持つことが大切です。
散瞳検査の副作用
散瞳検査を行うことで稀に副作用が起こる場合があります。
緑内障発作
散瞳検査後、数時間して発生する症状に、急に目がかすみ、白目が充血し、頭痛や吐き気が起こるものがあります。
散瞳検査前に診察し緑内障発作を予防します。
発作のリスクの高い人は、若いころ目が良く老眼が早く始まった方、60歳以上の方、白内障のある方です。
アレルギー性結膜炎
点眼薬に含まれる成分でアレルギー性結膜炎が起こる場合があります。
散瞳薬点眼後、白目の充血が強くなり、かゆみや、異物感や痒みが数日続きます。
過去に散瞳したときに、充血が強くなった方は必ず検査前に申告するようにして下さい。
散瞳検査で分かること
眼底検査は、眼底カメラなどの器具を用いて、眼底の血管や網膜、視神経などを観察する検査です。
この検査には、特殊な目薬で瞳孔を開くことにより視神経、網膜、網膜を養う動脈や静脈などを詳しく観察することができます。
眼底検査で見つかる病気には以下の物があります。
- 白内障
- 糖尿病性網膜症
- 緑内障
- 黄斑変性
- 網膜動脈硬化症
- 網膜静脈閉塞症
- 後部硝子体剥離
どの疾患も自覚症状があまりないため、発見された段階で病気が進行している場合があります。
特に、糖尿病や動脈硬化症の持病をお持ちの方は、定期的な眼底検査を受けるよう心がけるようにし、これらの疾患を早期発見し、早期治療を行うようにすることがとても大切です。
散瞳検査で使用する目薬
散瞳検査で使用する目薬は、一般的に、ミドリンP点眼液がよく使用されます;
ミドリンP点眼液は、短時間作用型の目薬で、5〜6時間ほどで効果がなくなりはじめます。
人間の目はまぶしさを防ぐため、光が当たると瞳が小さくなり目に入る光の量を抑える働きを持っています。そのため、その働きを一時的に弱め、瞳を大きく広げる薬を点眼して検査をしやすい状態にします。
まとめ
今回は、散瞳検査(さんどうけんさ)で分かることや注意点について詳しく紹介してきました。
この記事をまとめると、
- 散瞳検査は目薬で瞳を大きくし検査しやすくする検査
- 検査後は光をまぶしく感じるようになるので注意
- 眩しい症状は5~6時間ほど続く
- 検査後は運転などを控える
- 白内障や緑内障をはじめ様々な症状を検査することができる
散瞳検査は、まぶしさがしばらく続くといったデメリットはありますが、眼のさまざまな疾患や病気を検査することができます。
そのため、現在、目に何かしらの違和感がある方は、早期発見がとても重要なので、散瞳検査をしてみることをおすすめします。