後発白内障とは?症状と原因、治療法などを解説
2021.02.25
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白内障には、後発白内障と呼ばれる白内障があるのをご存知ですか?
白内障は手術することで改善を期待できますが、手術をしたら終わりではありません。
術後もしっかりと検査・予防・治療を受けることが大切です。
ここでは、後発白内障の症状や原因、治療方法、白内障に関係する前嚢収縮についても掲載しているので参考にしてみてください。
後発白内障とは
白内障手術では、水晶体嚢(すいしょうたいのう)と呼ばれる部位に眼内レンズを挿入することが一般的な手術方法ですが、その白内障の手術後に後遺症として眼内レンズを包む嚢が混濁することを後発白内障と呼びます。
水晶体嚢の中に残る水晶体の細胞が増殖して濁りを発生させるのですが、軽度であれば支障ある症状はありませんが、進行してしまうと視機能低下にも影響します。
主に、白内障治療の術後5年以内に約20%におよぶ患者さんが発症するとされていて、後発白内障の発症自体を完全に予防することは困難です。
後発白内障の原因
白内障手術では、混濁した水晶体を取り除いて、水晶体嚢に眼内レンズを挿入していくのですが、その水晶体嚢には一部の細胞が残留しています。
この細胞は時間経過とともに増殖を繰り返していき、その増殖した細胞により眼内に透明性がなくなるほどの濁りを起こし、後発白内障を発症させています。
後発白内障の治療
後発白内障を完全に予防することは難しいため早期的な発見が必要ですので、専門医の指示・意見のもと定期的な検診を受診することが不可欠。
完全な予防が難しいというだけで一度発症した場合にはYAGレーザーを利用したレーザー手術にて約5分程度で手術を終えることができます。
後発白内障の根源にもなっているレンズが挿入された嚢の後方部を切開することにより解決することができ、外来治療でも受け付けてくれる手術内容です。
手術中は水晶体嚢をレーザーにて突き破るので目の中に破片が散らばり、結果飛蚊症のような症状を自覚する場合がありますが時間経過とともに改善を期待できるでしょう。
前嚢収縮とは
前嚢収縮とは、白内障手術で円形に切開した水晶体嚢の窓が術後に萎縮した状態です。
後発白内障とは対照的にレンズの前面部と水晶体嚢に開けた穴の周囲から、混濁した細胞が増殖して穴を密閉してしまう状態を前嚢収縮を呼びます。
前嚢収縮の原因
白内障手術によって切開した水晶体嚢の窓周囲に残留した水晶体の細胞が炎症反応を起こすことで、細胞に変化・増殖が生じて切開部を密閉してしまいます。
基本的には、視機能に影響を及ぼすことはありませんが、瞳孔に光が入らないほど症状が進行すると、視機能低下を及ぼすこともありえます。
前嚢収縮の治療
前嚢収縮は、後発白内障と同様に事前に完全予防する方法がなく、早期的に専門医による指示・意見のもと定期検診を受診することが必要です。
仮に症状が進行して治療が必要となった場合も後発白内障と同じく、YAGレーザーによるレーザー治療にて前嚢収縮を切開していきます。
切開と言えども痛みはあまり伴わず、外来治療でも対応可能です。
まとめ
■白内障の手術後に後遺症としてあらわれるのが後発白内障
■後発白内障を未然に予防することは難しい
■専門医の指示・意見のもと早期的な発見・治療が必要
■前嚢収縮は白内障手術で切開した水晶体嚢の窓が術後に萎縮した状態
■前嚢収縮は後発白内障と同様に未然に予防することは難しい
いかがでしたか? 今回は、後発白内障と前嚢収縮について紹介してきました。
白内障の術後に発症するリスクがあるだけに油断は禁物です。
同じ後遺症でも対照的な2つの眼病ですがレーザー治療によって改善が見込めます。
白内障の手術をしたからといってすぐに完治する訳ではないので、術後も定期的な検診を受診して適切な予防・治療を受けるようにしてください。