アトピー白内障とは?アトピー性皮膚炎との関係を含め解説

2021.01.22

腕をかく女性

白内障と一言に言ってもさまざまな種類や要因がありますね。

アトピー性皮膚炎も白内障と関係があるということを知っていますか?

同じ白内障でもアトピー特有の悩みもあるのがアトピー性白内障。

今回は、そんなアトピー性白内障について紹介していきます。

アトピー性白内障とは?

アトピー性白内障とは、アトピー性皮膚炎を伴っている人が発症しやすい眼病です。

生活に支障を与える程、急激に症状が悪化するという特徴があるので、早期的な手術が求められます。

白内障自体は高齢者が発症するイメージがあるかもしれませんが、アトピー性白内障だと若年者でも発症の可能性があるので安易には考えられません。

一度発症すると水晶体の真ん中が色濃く濁り、濁りが強く進行していくと「前嚢下白内障」に発展する場合もあります。

アトピー性白内障で失明する?

アトピー性皮膚炎を患っている人に発症しやすい眼病がアトピー性皮膚炎というだけなので、
通常の白内障と同様に失明するリスクというのは変わらずあります。

ただ白内障を患っている方には失明リスクを鑑みて早期的に手術をしたいと考える方もいますが、
現在の日本における白内障の手術は進歩しているので基本的には水晶体の濁りを取り除いてしまえば失明することなく手術することができます。

例外として、身体のコンディションが不調で手術自体ができないといった状態でない限りは、失明リスクは極めて低いと言えます。

アトピー性白内障の手術と治療費用

アトピー性白内障の手術では一般的な白内障と同様の方法にて手術をおこないます。

ただし、アトピー性皮膚炎の問題があるため加齢性白内障よりもいくつか問題点は生じます。

特に網膜剥離や網膜裂孔に精通した医療施設での治療・手術が求められます。

手術費用は一般的な白内障手術から片目50,000~60,000円(3割負担)、両目100,000~120,000円(3割負担)を参考にしておいてください。

明確な費用に関しては一度専門医に相談してみるといいでしょう。

アトピー性白内障の原因

アトピー性皮膚炎の人が発症しやすい白内障ということは分かってはいるものの、
根本的な要因を探っていくとその原因はハッキリとは解明されていないのが実情です。

皮膚炎のかゆみを抑えるために、頭や目の周辺を強く掻いたり・叩くといった刺激を与えることが一因とはされています。

皮膚炎のかゆみ症状などを抑える「ステロイド」のような内服薬や塗り薬を使用した副作用で白内障を併発するリスクも考えられます。

いずれか1つが原因というよりはさまざまな要因が複合して発症しているのではないかとされています。

アトピー性白内障の予防

アトピー性皮膚炎によって白内障を発症した恐れがあるのであれば、目の周りをこする・叩くといった刺激は与えないようにすることが大切です。

ただし、アトピー性皮膚炎のかゆみを我慢できず掻いたりする場合や、無意識に掻いてしまう場合もあるので、早期的な皮膚炎の治療・対策は必要でしょう。

治療の際には、無暗にステロイド薬を使用するとそれが白内障への原因にもなるので、内服薬や塗り薬を使用する前に必ず医師にも確認することです。

仮に白内障の手術をおこなったのであれば、術後に目の周辺をこすったり叩いたりするとレンズがズレてしまうので、注意してください。

まとめ

■アトピー性皮膚炎を患っている人が発症しやすいのがアトピー性白内障
■アトピーが要因と分かっているものの明確な理由が判明していない
■皮膚炎のかゆみを抑えるステロイド薬が原因の1つとして考えられてもいる
■通常のアトピー同様にこする・叩くなどの皮膚への刺激を与えないようにする

いかがでしたか? 今回は、アトピー性皮膚炎と白内障との関係性について紹介してきました。

身近な病気によって併発する白内障なだけに安易に考えることはできませんね。

明確な原因は判明していないものの治療方法は基本的には加齢性白内障と同様です。

手術さえできれば失明リスクも高くないですが、早い段階で自身の目の状態を確認しておくのがいいでしょう。