黄斑上膜は手術で治せる?その治療法を解説
2020.03.05
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みなさんは、黄斑上膜という眼病をご存知でしょうか?
失明リスクがある病気ではないのでしっかりと治療をおこなえば視力を保つことはできます。
しかし、そもそも黄斑上膜は手術で治療が可能なのか?
手術が可能だとして手術をする必要性はあるのか?
今期は、そんな黄斑上膜の手術との関連性を治療法なども交えながら解説していきます。
黄斑上膜とは
眼には、カメラでいうフィルムにあたる部分でもある網膜が存在します。
その網膜でも、とくに物体をハッキリと識別できる部分にあたるのが網膜の中心部の黄斑です。
黄斑上膜は読んで字のごとくそんな黄斑の上に膜が発生して網膜に障害を引きおこす病気を指しています。
黄斑上膜は自然に治る?
インターネット上で「黄斑上膜」と検索すると「黄斑上膜 自然治癒」と予測変換されるほど自然治癒との関連性がでてきます。
ですが実際のところ自然治癒する可能性は数パーセントの確率で存在するだけであって、決して自然治癒が推奨されているわけではありません。
黄斑上膜の症状が経度の段階であれば治療をしないこともある病気ですので、眼底検査やOCTによる経過観察をおこなって様子を見ることが求められます。
黄斑上膜の治療法
前述でも説明したように黄斑上膜の症状が経度であれば治療をしないこともある病気ですし、眼の病気と言えど失明リスクがあるわけでもありません。
それでもいざ治療するとなれば目薬や飲み薬で改善できるというものでもなく、手術以外に状態を改善する方法は存在しません。
黄斑上膜の手術
黄斑上膜になったからといってすぐに治療をする必要がある病気ではありません。
一方で病気の進行が経度のうちに手術をおこなえば回復もより良好に向きやすくなるので、少しでも視力低下や眼のかすみなどの自覚症状を感じたら手術することも検討しましょう。
手術の際には、硝子体手術によって黄斑の上にある膜を取り除いて、網膜のシワを伸ばしていきます。
黄斑上膜の手術後は
手術をしたからといってすぐに視力が回復するとは限りません。
術後は、網膜にできていたシワが徐々にもとに戻ることにより視力が回復していく傾向があり、完全に視力回復するまでに1年以上の時間が必要となる場合もあります。
なので術後であっても長期的な経過観察が必要となってきます。
黄斑上膜の再発の確率
1~2割程度の可能性で術後に黄斑上膜を再発する可能性があります。
それでも再手術が必要となるほど深刻化されるケースは稀ですし、再発リスクがない手術方法を提供する高い技術力を誇る病院も存在します。
手術を検討する場合には黄斑上膜の再発リスクも念頭に入れて信頼できる通院先を選びましょう。
まとめ
■黄斑上膜は黄斑の上に膜が発生して網膜に障害を引きおこす病気のこと。
■自然治癒する可能性も数パーセントの可能性で存在はする。
■治療をするとなれば手術以外に選択肢はない。
■黄斑上膜だからといってすぐに手術が必要ということはない。
■黄斑上膜が再発する可能性は、再発するとしても全体の1~2割程度。
いかがだったでしょうか? 黄斑上膜と手術との関連性について理解を深めることができたでしょうか。
冒頭でも伝えたように失明リスクがある病気ではありませんが眼病である以上は当然放置すれば危険が伴います。
すぐに手術が必要ではないものの遅かれ早かれ手術する可能性があるのであれば早い段階で治療することも検討した方がいいでしょう。