白内障の手術は先進医療保障の対象になる?
2022.06.23
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白内障の手術は先進医療保障の対象になるのでしょうか。
80代以上の方がほぼ100%発症すると言われている白内障は、目の水晶体が濁る病気で、ぼやける、見えにくいなど、場合によっては日常生活が困難になってしまう病気でもあります。
その白内障の手術は先進医療保障の対象になるのかについてこの記事で解説します。
白内障の手術は先進医療の対象になる?
結論から説明すると、白内障の手術は、厚生労働省が承認する「先進医療」のひとつに数えられるため、先進医療の対象となります。
自由診療による高度な医療技術と、従来の健康保険診療を同時に受けられる制度で、多焦点レンズの挿入手術がその対象となります。
ただし、先進医療による白内障手術を受けるには、いくつかの条件があります。
条件は次の通りで、国からの認定を受けた厚生労働省「先進医療を実施している医療機関の一覧」に含まれる医療機関で手術を行う必要があります。
また「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」であること、使用するレンズの種類やメーカーによっても、先進医療の対象になるものとならないものがあるので注意が必要です。
先進医療保障とはなにか
先進医療保障とはなにかについても詳しく見ておきましょう。
最新の研究が実績を積んで確立されると、先進医療として厚生労働省に認可されます。
先進医療の費用はすべて自由診療となりますが、診察料、検査料、投薬料などは健康保険が適用されるのが特徴です。
日本では自由診療と健康保険診療の併用は認められていませんでしたが、1984年に「特定療養費制度」が制定され、国の承認を受けた特定承認保健医療機関において、高度先進医療および先進医療が健康保険診療と併用できるようになりました。
そして、2006年の健康保険法改正で統合されて現在の先進医療になった経緯があります。
先進医療保障の注意点
診察料、検査料、投薬料などは健康保険が適用される先進医療保障。ただし、注意点もあります。
先進医療に定められている診療項目は、公的医療保険の対象にするかどうか、評価の段階にあるので、安全性や有効性が確認されたものが新たに追加されたり、実施件数が少ない場合は取り下げられたりなど、見直しが常に行われているのも事実です。
そのため、現在は適用になる手術であっても、先進医療から除外されて自由診療に移行されてしまう可能性があるということ。
現に、2020年の診療報酬改定後に多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は、先進医療から外れ、保険診療+選定療養として行われることが決定しました。
まとめ
今回は、白内障の手術は先進医療保障の対象になるのかについて解説しました。
この記事をまとめると、
- 白内障の手術は厚生労働省が承認する「先進医療」のひとつ
- 国からの認定を受けた医療機関のみ対象
- 使用するレンズの種類やメーカーにより対象にならないこともある
- 先進医療は見直しが常に行われている
以上となります。
自己負担額を軽減しながら高度な治療を受けられる先進医療は、条件はあるものの、白内障手術でも適用することができます。
これから手術を検討している方は、ぜひ参考にして下さい。