白内障の原因疾患について解説

2022.11.22

白内障の原因疾患について解説

白内障は、目の中のレンズの役割をしている水晶体が白く濁ってくる病気です。

白内障の原因で主なものは加齢で、水晶体の成分であるたんぱく質が活性酸素によって変化して、白く濁ることで発症します。

そんな白内障には、原因となる疾患はあるのでしょうか。

この記事では、白内障の原因疾患について解説します。

白内障の原因疾患は?

前述したように、白内障は加齢が主な原因です。

年齢を重ねるほど発症しやすくなり、60歳を過ぎる頃には少しずつ水晶体が濁り始め、70代以降の高齢者ではその大半に白内障の症状が見られます。

そんな白内障ですが、慢性疾患が引き起こす白内障としては、糖尿病やアトピー性皮膚炎が原因となるケースが多いです。糖尿病白内障は、仮性糖尿病白内障と真性糖尿病白内障に分けられます。

仮性糖尿病白内障とは、加齢性白内障が併発するもので、たいていの患者はこちらに当てはまります。いっぽう、真性糖尿病白内障は、高血糖が続くと発症しやすい白内障で、若年層でも起きやすく、進行も速いのが特徴です。

アトピー性皮膚炎については、なぜ白内障が起きやすいのかは、未だに明確に判明はしていませんが、アトピー性皮膚炎を発症してからの時間が長かったり、顔面の症状が重かったりする場合は、アトピー性白内障を起こしやすいと研究結果で報告されています。

また、先天性白内障の場合は、遺伝子の変異によって起こると研究結果で報告されています。。

白内障になりやすい人

白内障発症の原因の大半は加齢によるものです。高齢者が発症しやすい目の病気で80代以上になるとほぼ100%の方が発症すると言われています。

ただし、白内障の発症原因は加齢だけではありません。比較的若い方でも発症する可能性があり、以下の事項に当てはまる場合発症リスクが高いとされています。

  • アトピー性皮膚炎
  • 糖尿病
  • 薬剤(ステロイド)
  • 紫外線暴露時間が長い
  • 強度近視

白内障は、これらに該当する方が、発症のリスクが高く、アトピー性皮膚炎の合併症である「アトピー性白内障」、糖尿病の合併症として引き起こされる「糖尿病性白内障」、これらは若年層でも発症率が高い白内障と言われています。

また、アレルギー疾患などの治療にて長期間にわたるステロイド剤を使用している方や、強度近視を有する方は、白内障の発症リスクが高まり、他にも紫外線が白内障発症の一因になるとも考えられています。

現在これらに当てはまる、アトピー性皮膚炎や糖尿病を患っている方、ステロイド剤を長期使用されている方、紫外線を長時間浴び続ける生活を送っている方は、白内障になりやすいとも考えられるため、注意して下さい。

白内障の関連疾患

一言で白内障と言っても、白内障にはさまざまな種類があります。

どのような疾患があるか詳しくみてみましょう。

老人性白内障(加齢性白内障)

老人性(加齢性)白内障は、加齢によって引き起こされる白内障です。

白内障を発症する原因の90%は加齢とされており、早い方の場合では40代で白内障の自覚症状が認められます。

老人性白内障は、水晶体の周囲から濁りが生じ、徐々に中心に向かって濁りが進行するのが一般的ですので、発症初期の頃は自覚症状がありません。しかし、自覚症状が無くても、眼科用の顕微鏡で確認すると白内障が認められる場合があります。

若年性白内障

白内障は中高年層に多く見られる病気ですが、20〜30代で発症するケースもあります。比較的若い人が発症する若年性白内障の原因には、「紫外線」、「疲労やストレス」、「偏食」、「喫煙」、「アルコール」、「糖尿病やアトピー性皮膚炎」などが考えられています。

実際は、若い人が白内障を発症する明確な原因は明らかになっていません。しかし、紫外線やストレス、もともと潜在的に白内障を持っていたことなどが関係するといわれています。

糖尿病性白内障

糖尿病白内障は、糖尿病の方が併発しがちな眼疾患です。

血糖値があがるとともに黒目に濁りがあらわれ、白内障を引き起こします。この病気を発症する年齢ではない20~30代の方でも罹患するリスクがあることが特徴です。

高齢者が罹患する白内障よりも、進行が早い傾向にありますが、診察において糖尿病を原因とする白内障であると言い切ることは難しいです。

そのため糖尿病や高血糖以外に原因がみあたらない場合、糖尿病性白内障とされます。

アトピー性白内障

アトピー性白内障は、アトピー性皮膚炎を発症している人に起こる白内障のことをいいます。

その原因はまだ解明されていませんが、皮膚炎によるかゆみを抑えるために、頭や目の近くを叩くなどの刺激を加える行為を続けてしまうことが一因なのではないかと考えられています。

先天性白内障

先天白内障は、生後早期に水晶体が白く濁る病気で、先天素因、胎内感染、全身疾患など様々な原因によって起こる白内障です。

混濁の強い高度の先天白内障は、視覚刺激を遮断するため重度の生涯にわたる視力障害、弱視をきたします。

外傷性白内障

白内障は、何かしらの原因で水晶体が濁る病気ですが、外傷性白内障は、外力により生じた損傷をきっかけに水晶体が濁るものを外傷性白内障といいます。

外傷によって、水晶体を固定しているチン氏帯と呼ばれる細い糸の力が弱くなって水晶体亜脱臼を起こしたり、水晶体嚢に亀裂ができたり、急速に過熟白内障になったりすることが多く、手術方法もその場の状況で臨機応変に対応していかざるをえなくなるのが特徴です。

併発性白内障

併発白内障は、ぶどう膜炎・緑内障・網膜色素変性症・虹彩毛様体炎・硝子体出血などに併発しておこる白内障です。

白内障は、このレンズとなる水晶体が濁ることで、光が通らなくなり視力が低下します。

白内障の初期は目の前にあるものや人がかすんで見えたり、まぶしくて明るいところで見えにくいといった症状が出たり、暗い室内や曇りの日のほうがよく見えたりする特徴があります。

まとめ

この記事では、白内障の原因疾患について解説しました。

この記事をまとめると、

  • 白内障は年齢を重ねるほど発症しやすい
  • アトピー性皮膚炎や糖尿病を患っている方などは発症リスクが高い
  • 白内障には種類がある

以上となります。

白内障は加齢と共に発症するため、長生きすればするほど誰もが発症するリスクのある病気です。

ただし、普段からしっかりと予防をすることで、発症を遅らせたり、症状は緩和できるので、普段からしっかりと予防やケアをするようにしてください。