白内障の手術後にプールは行っても良い?

2021.06.03

白内障の手術後にプールは行っても良い?

白内障の手術後にプールは行っても良いのかと疑問に思ってはいませんか?

夏の連日の猛暑が続くとプールに出かけたくなることも多いのではないでしょうか。

しかし、白内障の手術を行った直後にプールへ行っても良いのでしょうか。

この記事で詳しく解説させていただきます。

白内障の手術後にプールは行っても良い?

結論から説明してしまうと、白内障の手術後、3ヶ月はプールに入るのは控えた方が良いと言えます。

その理由としてプールの水を介して感染する病気があるからです。

基本的にプールの衛生基準は、学校のプール場合は文科省が 一般のプールは厚労省が管轄していますが両者の基準は大体同じです。

しかし、衛生基準をしっかりとクリアしていても、一般にプール熱と呼ばれる「咽頭結膜熱」や、はやり目の通称で知られる「流行性角膜炎」、そして強い眼の痛み、充血、眼脂をともなう「急性出血性結膜炎」などがあります。

白内障の術後にウイルスが原因でこれらを発症してしまうとせっかく手術を行ったのに白内障が再発してしまうリスクや失明のリスクなども発生してしまうので注意が必要です。

そのため、術後に1週間程度は安静にと医師に言われたとしても、眼の状態がしっかり安定するまで、大体3ヶ月は控えた方が良いと言えます。

白内障の手術の大まかな流れ

白内障の手術は、視力検査の結果で目の状態、それにプラスし患者様の感じている不自由さを踏まえて医師と相談のうえ、手術するかどうかを決定します。

術前検査

手術前に詳細な検査を行い眼内レンズの種類や度数を決めるために必要なデータを集めます。

また、この検査で白内障以外の異常がないかも調べ、合併症の発生率を低下させます。

事前に患者さんの生活形態も確認し、患者さんのライフスタイルにあわせて、眼内レンズの種類や度数を決定します。

一般的に、問診からはじまり、目の度数や視力測定を調べる屈折検査、白内障の進行具合と他の病気や合併症の有無を調べる細隙灯顕微鏡検・眼底検査・眼圧検査、角膜の手術耐久性と手術後の視力への影響を調べる角膜内皮細胞検査、使用する眼内レンズの種類や度数決定する眼軸長測定・前房深度・角膜形状解析、全身状態をチェックする採血・結膜嚢培養などを行います。

手術当日

術前説明時に伝えられて時間に来院をします。

手術が午前中の場合は朝食を、午後の場合は昼食を少なめに控えます。
ただし、いつも服用している薬などがある場合は、かならず事前に医師に相談するようにしましょう。

また、手術後は視力が低下するので、なるべく付き添いの方と一緒に来院するようにしましょう。

手術直前

手術直前は、必要に応じて瞳を大きく広げる薬の散瞳薬や生物質を数回点眼し、準備を始めます。

このときに合わせて、血圧等を測定し、全身状態が落ち着いているかを確認します。

手術開始

麻酔の目薬をさしてから手術を開始します。

通常の手術は眼のみの局所麻酔で行います。眼を洗浄して周囲を消毒し、仰向けに寝た状態で顔の上にカバーをかけて手術を行います。

手術終了後

手術終了後は、しばらく安静にする必要があります。

スタッフから手術後の注意事項などの説明を受けて、特に問題などがないようであればそのまま帰宅できます。

手術直後は眼球保護のため眼帯や保護眼鏡を装着しますが、眼をこすったり直接さわったりして圧迫しないように注意しましょう。

白内障の手術後にできることの目安

手術後1週間は傷口が塞がってないため、感染症を患いやすい期間です。

目に触れたり、ゴミや埃・水が入ったりしないよう、充分に気を付けて過ごす必要があります。

また病院側から出された目薬を3ヶ月ほど継続して使う必要があるので、自己判断で使用を止めないようにして下さい。

シャワーや入浴は首から下のみで、洗顔は濡れたタオルで目元を避けて拭く程度におさめておきましょう。

1週間経過したら、洗顔やアイメイク、基本的な日常生活は可能になります。ただし、眼の負担になるような力仕事や重い物を持つようなことは2週間後以降にして下さい。

傷口は1ヶ月ほどでほぼ治ります。この辺りからアウトドアやスポーツも概ね可能となります。

白内障手術後3ヶ月で目薬の使用は不要となります。ここ時期に後発白内障が発症していないかなどを検査し問題がなければ普段通りの生活に戻れます。

プール後の洗眼と眼の病気

冒頭でプールでのウイルスによる病気について触れましたが、だからといってプール後の洗眼は目に悪影響なので注意して下さい。

以前はプール内の塩素濃度が高かったため、目に付着した塩素を洗い流す目的で洗眼を行っていましたが、水道水は涙液とは浸透圧が異なるため、場合によっては角膜上皮障害を引き起こしてしまいます。

そのため、できるだけ水泳中はゴーグルを着用し、目を水に触れないようしてください。

まとめ

この記事では、白内障の手術を行った直後にプールへ行っても良いのかという疑問点と白内障の手術の大まかな流れ、白内障の手術後にできることの目安について紹介してきました。

術後は目がとても不安定なため、少なくとも3ヶ月はプールに入るのは控えた方が良いと言えます。

また、術後は、後天性白内障にも注意が必要なので普段からできる予防をしっかりと行うようにして下さい。