フェムトセカンドレーザーを用いた白内障の手術とは
2022.03.05
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近年、医学や科科学が進歩し、角膜移植などの手術に用いられているフェムトセカンドレーザー技術が白内障手術に用いられるようになりました。
白内障の手術は、カメラで例えるとレンズ交換をすることに該当し、具体的には、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工のレンズ(眼内レンズ)を眼の中に挿入する手術が一般的です。
そんな白内障に、フェムトセカンドレーザーを用いた白内障の手術は本当に可能なのか?この記事ではこの点について詳しくまとめてみました。
フェムトセカンドレーザーとは?
フェムトセカンドレーザーはもともと、屈折矯正手術(LASIK)や角膜移植に利用されているレーザーです。
フェムトセカンドとは、1000兆分の1秒のことで、光でも0.3μmしか進めない非常に短い時間のこと。そんなフェムトセカンドにまで短縮したレーザーは非常に強いレーザー強度となり、工業用の微細加工などで用いられています。
1000兆分の1秒といった想像もつかない短い秒数でレーザー照射することで、ミクロン単位の精度の手術が可能となります。
角膜の手術では角膜移植やLASIKのフラップ作成などで、従来から使用されていましたが、医学や化学、技術の進歩によって、水晶体も切開可能なフェムトセカンドレーザーも登場したのです。
フェムトセカンドレーザーを用いた白内障手術
白内障は、目の中のレンズの役割をしている水晶体が濁ってしまい、光が通りにくくなり、見えにくくなる病気です
主な症状は、ぼやける、かすむ、まぶしい、視界が暗く感じる、視力が落ちる、だぶって見えるなどがあり、80歳代で発症する確率はほぼ100%と言われている病気です。
混濁した水晶体を透明にする薬や食品はないので、眼内レンズを挿入し固定する手術が一般的で、世界で最も多く行われている外科的手術とも言われています。
フェムトセカンドレーザーを用いた白内障手術は、2008年に世界で初めて行われ、近未来の白内障手術のスタンダードになるといわれてきた治療法です。
これまで術者がメスやフックで行っていた角膜切開、水晶体前面の切開水晶体核の分割をフェムトセカンドレーザーで行い、コンピューター制御下で安全かつ精密に、計画通りに手術を行うことができます。
従来の白内障手術と違う点は、手術工程の半分をレーザーで行う点にあります。
レーザーにより正円に切開できるとレンズを正確に固定でき、術後のレンズのズレが発生しにくくなるメリットや手術が難しいとされている方でも、水晶体にレーザーで正確に切れ目を入れ、硬くなった水晶体を柔らかくし、他の部位に与えるダメージを最小限に抑えながら治療することが可能です。
フェムトセカンドレーザーを用いた手術のデメリット
フェムトセカンドレーザーを用いた手術は、従来の白内障手術と比べて、合併所の発症リスクを抑え、目に負担がかからずに術後の早いというメリットがありますが、デメリットもあります。
フェムトセカンドレーザーを用いた手術の最大のメリットは、自費治療となるため費用がかかる点や、手術中の移動があり、時間がかかる点、さらに、全ての症例で使用することはできない点にあります。
価格は病院やクリニックによって異なりますが、片目で大体60万円前後の費用がかかる手術です。
まとめ
今回は、フェムトセカンドレーザーを用いた白内障の手術について詳しく紹介してきました。
この記事をまとめると、
- フェムトセカンドレーザーは折矯正手術(LASIK)や角膜移植に利用されている
- 1000兆分の1秒といった想像もつかない短い秒数でレーザー照射
- ミクロン単位の精度の手術が可能
- 合併所の発症リスクを抑え、目に負担がかからずに術後の早い
- 自費治療のため費用が高額
以上となります。
フェムトセカンドレーザーは費用が高いというデメリットを除けば、非常にメリットの多い白内障の治療方法なので、これから手術を行う予定のある方は、検討してみるのもいいですね。