白内障と緑内障の違いとは?症状や検査・治療法について解説
2019.02.13
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白内障と緑内障の違いはご存知でしょうか?
どちらも病名だけはご存知でも、詳しい症状の違いがわからない方もいるのではないでしょうか。
眼科の代表的な疾患で、「白」と「緑」という色が疾患の名称に使われているので、白内障と緑内障は色に違いがあるの?と疑問に思っている方も多いと思います。
今回の記事では、白内障と緑内障の違いについて詳しく解説します。
白内障と緑内障の違い
現代では、さまざまな目の病気の中でも「白内障」と「緑内障」の患者が増加していると言われています。
名前が似ており、「白」と「緑」だけの違いなので症状に色が関係しているのではないかと考えている方も多いでしょう。
また、どちらも「内障」と名前が付けられているので、目の内側に何かの障害が起こってしまう病気なのでは?と考えることもできます。
この白内障と緑内障、具体的な違いはどこにあるのでしょうか?
それぞれを詳しく見てみましょう。
白内障とは?
白内障は60歳以上で50%、80歳以上では100%の方にみられる身近な疾患です。
水晶体が加齢とともに徐々に混濁し、視力低下を来す疾患で、視力低下以外に、まぶしさを自覚するケースもあります。
目の中には水晶体と呼ばれる、カメラのレンズに相当する部分があるのですが、正常な水晶体は透明で、外から目の中に入ってきた光を屈折し、網膜にピントを合わせる働きがあります。
しかし、白内障になると、この水晶体が濁ってきてしまい、透明ではなくなり「白く」にごってしまいます。
この状態を白内障といいます。
年齢を重ねる加齢現象が原因であることがほとんどですが、他にも。ステロイド薬など薬によるものや、アトピー性皮膚炎に伴うもの、目の病気に併発するもの、糖尿病などの合併症などもあります。
白内障の症状
白内障は、初期の段階ではあまり自覚症状がないのが特徴ですが、次第に目がぼやける、かすむという代表的な症状が現われるようになります。
その症状がさらに進行すると、明るいところがまぶしく感じたり、細かいものが見えなくなってきたり、ものがだぶって見えてしまうなどの症状が出はじめます。
白内障なのかは、本人の自覚症状だけでは判断できず、さらに他の病気が隠れていることもあるので何かしらおかしいなと感じたら眼科での早めの検査が必要になります。
白内障治療は症状が軽度であれば、点眼薬で進行を抑制しますが、点眼薬や内服薬では水晶体混濁の改善は期待できないので、根本的な治療は一般的に手術療法になります。
緑内障とは?
緑内障とは、何らかの原因で視神経が障害され視野が狭くなる病気です。
眼圧の上昇がその病因の一つと言われており、近年では大規模な疫学調査が行われ、40歳以上の日本人の約6%が緑内障に罹患していることが判明しました。
これは日本全体で見ると、約400万人の方が緑内障を発症しているということになります。
緑内障は、日本での失明原因第1位の病気でもあり、目で見た情報がうまく脳に伝わらなくなってしまい画像認識ができなくなってしまうのです。
この緑内障には、慢性緑内障と急性緑内障があり、慢性緑内障はその進行は非常にゆっくりで、両方の目の症状が同時に進行することは稀なので、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。
一方、急性緑内障では、急激に眼圧が上昇して発症し、頭痛や吐き気、眼痛、充血など、激しい症状が見られる特徴があります。
主な原因は、房水の分泌と排出のバランスが崩れてしまい、眼圧が高くなることで、網膜に広がっている視神経の束である視神経乳頭という部分を圧迫して視神経が障害されてしてしまうことと考えられています。
緑内障の症状
見え方の違いは、症状の段階によっても異なってきます。
初期状態では、特に異常に気づかないことが多いのですが、中期にもなると視野が欠ける暗点が広がってきます。
そして、後期にもなると、見える部分が狭くなってしまい、日常生活に支障をきたしてしまう程になります。
白内障と緑内障の検査方法
白内障と緑内障の検査はどのような形で行われるのでしょうか。
白内障の検査方法の違い
白内障は症状が進行すると視力が低下してくることから視力検査をまず行います。
しかし、近視・遠視・乱視のあるような方は、眼鏡などで矯正しないと、元々裸眼の視力を把握できないため、一番視力の出るレンズを装用して測定(矯正視力検査)します。
この検査で、視力の値が低下していることが判明すると白内障などの目の病気が進んでいることが考えられます。
視力の低下が認められたら、白内障による眼の異常や状態を把握し、他の病気を発症していないかどうかを調べるために、問診や血圧検査、屈折検査、眼圧検査、眼底検査、細隙灯顕微鏡検査、角膜内皮細胞検査、散瞳検査などの精密検査を行います。
緑内障の検査方法
緑内障の検査は、病院ごとに検査方法は異なりますが早期発見を目指してさまざまな検査が行われます。
視神経乳頭や視神経線維層の形状を三次元で解析し、緑内障の進行度合いを診断する検査「画像解析検査」、見える範囲を調べる「視野検査」、眼の固さをはかる「眼圧検査」、隅角が狭く、塞がってしまうと眼圧が上昇してしまうため、慢性型と急性型を見分ける「隅角検査」、視神経の障害の程度を判定する「眼底検査」、などの検査を行います。
そのほかにもその他病気や疾患などが無いかなどを必要に応じてさまざまな検査が行われます。
白内障と緑内障の治療方法の違い
検査方法にも違いがあった白内障と緑内障。
それぞれの治療方法の違いについても詳しく見てみましょう。
白内障の治療方法
白内障の治療方法は、手術での治療が一般的です。
点眼薬はあくまでも進行を抑えてなるべく現状を維持することを目的としたものなので、濁った水晶体を元に戻すために手術が行われます。
白内障手術の方法は、濁った水晶体をレーザーで粉砕して取り除き、その代わりに人工の水晶体である眼内レンズを移植する方法が一般的です。
全身に重い疾患を持っているなどの特別な事情がないかぎりは入院の必要もなく日帰りで手術を受けることができます。
緑内障の治療方法
緑内障の治療は、病気の進行を遅らせることを目的とした治療法になります。
一度損なわれた視神経は回復できない為、それ以上に悪くならないように進行を止めたり、遅らせたりする治療法です。
緑内障は失明する恐れがある為、それを回避するために行います。
緑内障の治療法には、緑内障のタイプや進行具合、眼圧の高さに応じた点眼薬を用いて眼圧をコントロールする「薬物療法」、薬剤での治療効果が十分でない場合に、レーザーで虹彩に穴を開けて房水の流れを変え、線維柱帯の排出口を広げて房水の流れをよくして眼圧を下げる「レーザー治療」、薬物療法やレーザー療法で効果が得られない場合は、線維柱帯を切開して房水の流れをよくし、房水の流れを改善させて眼圧を下げて、進行を食い止める「手術」があります。
自覚症状がほとんどないまま進行する白内障は、早期発見がとても大切です。
病気発見の手掛かりは検査しかないので定期的に検査を受けることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、白内障と緑内障の違いについて詳しく紹介してきました。
白内障と緑内障には、このように症状の現れ方や進行具合などさまざまな違いがあることがわかったと思います。
どちらにも言えることなのですが、早期発見が症状を悪くさせないためにもとても重要になります。
そのため、なにか違和感があるような場合は特に、早めに眼科を受診し検査を行うことをおすすめします。