レーシック手術と白内障の関係。術後は手術を受けられるのか?
2018.12.18
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レーシック手術を受けた場合、将来的に白内障手術を受けることができるのかと疑問に思ったことはありませんか?
レーシック手術はすでに一般的になっており、多くの方がレーシック手術により良好な視力を取り戻しています。
今回の記事では、レーシック手術と白内障の関係。術後に手術を受けることはできるのかについて詳しく解説します。
レーシック手術後は白内障手術を受けられない?
現在の医学では、レーシック手術を受けたとしても白内障手術を受けることができます。
以前は難しかった治療ですが、多くの症例と経験豊富な医師がいるきちんとした施設で行えば難しい治療ではありません。
レーシック手術とは
レーシック手術とは、レーザーを角膜に照射して、屈折力を調整することで近視・遠視・乱視を矯正する画期的な眼科手術です。
1990年代にアメリカを中心にこの手術方法が認知されるようになりました。
日本国内で眼科専門医によるレーシックが始まって15年以上が経過し視力回復の手術としては一般的になっている治療法でもあります。
手術後から、メガネやコンタクトレンズが不要となるので、快適な裸眼生活を送ることができるようになります。
レーシック手術では、フラップと呼ばれるフタを作成することから始まります。
角膜の上層部であるフラップをめくり、その直下にある角膜実質にエキシマレーザーを当てて屈折力を調整します。
角膜は眼の一番外側にあるので、光を取り込む働きがあります。
光が角膜や水晶体を通過するときの屈折力に違いがあると、眼の奥にある網膜に焦点を結ぶことができないので、レーシック手術を行い、網膜に正しく焦点を結ぶようにして、角膜にレーザーを当てて形を変えるのです。
簡単に説明すると、レーシック手術は、角膜を矯正手術することにより正視の状態に近づける手術です。
レーシック手術のリスクと安全性
レーシック手術は、現在の屈折矯正手術の中で、最も安全かつ確実な治療法です。
しかし、安全性は高い手術とは言っても手術である以上リスクはゼロではありません。
そのため、適応検査を行い、手術を安全に施行できるとされた方が、メリットとデメリットをしっかりと理解した上で治療を行います。
どんなリスクがあるのかを説明すると、手術である以上、感染症もゼロではないということ、しばらくすると軽い近視状態になってしまったり、ドライアイになってしまったり、術後一過性に角膜が濁ってしまい角膜混濁などになってしまうことがあります。
夜間に視力が低下してしまうことがある
夜間は蛍光灯などの光がまぶしくぼやけてしまったりにじんだりするようなことがあります。
角膜の切除径や深さ、瞳孔の大きさなどが関係しているようですが、このような症状が発生してしまった場合は治ることはありません。
ドライアイになることがある
ドライアイは時間の経過と共に徐々に回復する症状ではありますが、レーシック手術を行う前のフラップを作製するときに、角膜の知覚神経が切断されてしまいドライアイが発生してしまうことがあります。
ドライアイが悪化してしまうことも稀にありますが、症状は大体数ヶ月から1年ほどで回復します。
術後の角膜混濁
レーシック手術は、角膜中央部をレーザーで削るため、角膜に混濁が生じる場合があります。
角膜混濁を発症してしまうと、眼鏡やコンタクトで視力補正できていた人が、手術後にかえって低下してしまうこともあります。
レーシック手術と白内障手術の違い
レーシック手術は、角膜を矯正手術することにより正視の状態に近づける手術です。
それに対し、白内障手術は、白内障によって濁った水晶体を取り除き、代わりとなる眼内レンズ(人工水晶体)に置き換える手術です。
眼内レンズを入れる手術は一般的に、「超音波乳化吸引術」と「水晶体嚢外摘出術」の2種類があります。
一般的に多くの病院で行われているのは「超音波乳化吸引術」です。
超音波乳化吸引術は、傷口が小さく安全性が高い手術で、濁った水晶体を超音波で分割し取り除いた後に、眼内レンズをはめ込みます。
水晶体嚢外摘出術は、現在ではあまり行われることがありませんが、水晶体の濁りが悪化しすぎてしまい、水晶体を取り除くことが難しいときに行われるケースがあります。
白内障の手術後にレーシックを受けられる?
白内障の手術をしてもレーシック手術を受けることは可能です。
近年新しい設備等を使用することで解決されるようになってきてはいますが、通常、レーシック手術を受けた方の角膜は、通常の角膜と形状が異なるため、一般的に使用されている装置では角膜の屈折力を正確に測定することができなくなっています。
そのため、白内障手術を受ける場合は、レーシック手術を受けた医院で行うようにすると良いです。
また、レーシック手術に関する専門知識の高い医師に相談してしっかりとした検査を受けることも大切です。
緑内障とレーシック手術の関係
緑内障は、眼圧の上昇などにより、眼球の奥にある視神経が圧迫されてしまい、視野に障害が起こる病気です。
視力が弱り、症状が進むと灯火のまわりに虹(にじ)のようなものが見え、失明してしまう可能性のある病気です。
緑内障も“見えにくい”という症状で、徐々に視界が狭くなっていきます。
この緑内障も目薬などの治療で効果が無かった場合は手術が必要になります。
しかし、緑内障の手術を受けてしまうと、その後にレーシック手術を行いたいとなっても手術が難しく断られるケースがほとんどです。
その理由は、それぞれの手術方法にあるのですが、緑内障手術は「眼圧を下げる」ことが目的です。
これに対して、レーシック手術では、フラップ作成時に角膜を圧平にするので、この吸引で強い圧力がかかり、眼圧が上がってしまいます。
これが緑内障治療の大きな妨げであり、緑内障手術後にレーシック手術が難しいと言われている原因です。
ただし、緑内障の症状が安定していたり、進行が止まっていたり、好条件が揃っていれば医療機関によって慎重に手術を行ってくれます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、レーシック手術と白内障の関係。術後に手術を受けることはできるのかについて詳しく解説してきました。
紹介してきた内容をまとめると以下のようになります。
- レーシック手術を受けても白内障手術は受けられる
- レーシック手術は、角膜を矯正手術することにより正視の状態に近づける手術
- レーシック手術は、現在の屈折矯正手術の中で、最も安全かつ確実な治療法
- 白内障手術は、白内障によって濁った水晶体を取り除き、代わりとなる眼内レンズ(人工水晶体)に置き換える手術
- 緑内障手術後にレーシック手術は難しい
白内障の手術は、レーシック手術後でも受けることができます。
以前は難しかった治療ですが、多くの症例と経験豊富な医師がいるきちんとした施設で行えば難しい治療ではありません。