パンオプティクス(3焦点眼内レンズ)とは?白内障とあわせて解説

2021.06.10

パンオプティクス(3焦点眼内レンズ)とは?白内障とあわせて解説

パンオプティクスは後発白内障の発症リスクを抑えることができる2019年4月に日本で初めて承認された3焦点眼内レンズです。

これまでの2焦点眼内レンズは、遠方と近方だけでしたが、それにプラスし中間距離にもピントが合うのが大きな特徴です。

この記事では、パンオプティクス(3焦点眼内レンズ)の特徴から白内障への効果について詳しく解説します。

パンオプティクス(3焦点眼内レンズ)とは

パンオプティクスとは、遠方と近方に中間を合わせた3焦点の眼内レンズのことを言います。

米国の開発メーカー・アルコン社(Alcon)が独自のレンズ設計によって作り、2017年に発売し、2019年4月に日本で初めて承認されました。

これにより、60㎝ほどの中距離でもしっかりとピントを合わせることができるようになったため、パソコンやスマホを多用するようなオフィスワークはもちろんのこと、テレビや映画の視聴、運転、料理、スポーツなど、さまざまな生活環境に定着できるようになりました。

パンオプティクス(3焦点眼内レンズ)のメリット

パンオプティクスの一番のメリットは、眼鏡依存から離れられるということが挙げられます。

今までコンタクトなどをしても見えにくかった中間距離のパソコン操作やスマホ操作、YouTubeやNetflixなどの視聴などは眼鏡に頼ることが多かったと思うのですが、このパンオプティクスの3焦点眼内レンズが登場してからは、眼鏡依存から離れて自然に物や景色などを見ることができるようになったことです。

また、光学的欠損を改善しながら明るくてクリアな視界にしてくれるのもパンオプティクスの魅力と言えます。

白内障とパンオプティクス

パンオプティクスを使用することで後発白内障の発症リスクを抑制することができます。

いままでは白内障の術後にレンズがずれてしまい、また手術を伴うようなリスクがありましたが、パンオプティクスを用いることでレンズ固定位置の安定性を維持することができるようになります。

パンオプティクスには、人の水晶体に近い網膜保護効果を備えていること、紫外線や青色光を吸収する素材を用いていることなど、アルコン社独自のレンズ設計による優れた特性を持っているのが特徴です。

白内障で使用される眼内レンズの種類

パンオプティクスの登場により後発白内障の発症リスクを抑制することができるようになりましたが、白内障で使用される眼内レンズにはどのようなものがあるのでしょか。

パンオプティクスを除き、一般的に用いられるものだと以下の2つのレンズがあります。

  • 単焦点眼内レンズ
  • 多焦点眼内レンズ

詳しく見てみましょう。

単焦点眼内レンズ

単焦点眼内レンズは、白内障手術のレンズでもっとも一般的な眼内レンズです。

水晶体にはそれ自体が膨らんだり縮んだりすることでピントを合わせることができる調節力がありますが、単焦点眼内レンズには、その調節力がありません。

そのため、白内障手術を受けると焦点が1ヶ所にしか合わなくなります。

メリットとしては、健康保険の適応なので、手術費用を安く抑えることができる。焦点を合わせた特定の距離がはっきりと見える。夜間の光のまぶしさを感じないなどがあります。

多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズは、光の屈折や回折の特性を利用して、遠くと近くの2ヶ所に焦点が合うように設計されています。

従来のレンズよりさらに自然な見え方になっており、白内障の手術後になるべく老眼鏡を使いたくないという方におすすめです。

しかし、健康保険の適応外になるため、手術費用は高額になります。

メリットとしては、遠くや近くのものがメガネなしで見える点です。

まとめ

パンオプティクスの特徴から白内障への効果について紹介してきました。

今回の内容をまとめると、

  • パンオプティクスは遠方と近方に中間を合わせた3焦点の眼内レンズ
  • 60㎝ほどの中距離でもしっかりとピントを合わせることが可能
  • パソコンやスマホ、デスクワークでメガネが不要になる

また、パンオプティクスは、白内障の術後に再発しないように後発白内障の発症リスクを抑えることができます。

一般的な術後のケアは目薬のみなので、合わせて「MRフタワソニック」を活用することで再発のリスクをもっと抑えることができるのでおすすめです。