続発性緑内障とは?
2023.01.10
閲覧数ランキング
緑内障は成人中途失明原因第一の眼疾患です。
そして続発性緑内障とは他の眼疾患や全身疾患あるいは薬物使用などによって眼圧が上昇し引き起こされる緑内障のことを言います。
初期症状が自覚しづらく、重症になってから病院を受診する人が多いとも言われています。
この機会に一度心当たりがないか考えてみませんか!?
この記事では続発性緑内障の原因や治療法について紹介していきますので是非参考にしてください。
続発性緑内障とは?
続発緑内障とは、他の眼疾患や全身疾患あるいは薬物使用などによって眼圧が上昇し引き起こされる緑内障のことを言います。
つまり何かの疾患に続いて起こる緑内障のことです。
なので当然緑内障はもちろんほかの疾患にも注意をしておく必要があることを頭に入れておきましょう。
まず緑内障は、眼圧が高くなって視神経が萎縮する病気で視野が狭くなったり視力が低下したりします。
そして眼圧とは眼球の張りのことで、眼球の中には房水という水が存在しています。
房水とは眼球に栄養を運ぶ水のことで、この水が眼球内に充満することで眼球が丸い形に保たれているというわけです。
房水の量が増えすぎると眼球の中が張った状態になり、これを眼圧が高い状態と言います。
正常値はおよそ10〜21mmHgで、21mmHgを超えると高眼圧と診断されます。
続発性緑内障の自覚症状は、暗点の出現や視野が狭くなるなどと言われていますが、病気の進行が緩やかで初期では症状を自覚しないことがほとんどです。
高血圧や低血圧の人、糖尿病や睡眠時無呼吸症候群の人、偏頭痛持ちの人、強い近視の人などは緑内障になりやすいと言われています。
そして続発性緑内障を発症した場合、視力障害や視野の変状などの後遺症が生じる可能性もあるので加齢とともに定期的に眼科を受診することをおすすめします。
続発性緑内障になる原因
続発性緑内障になる原因は多岐にわたりますが、大きく原因を3つに分けると他の眼疾患、全身疾患、薬物使用に分けることができます。
眼からくる原因には、ぶどう膜炎、網膜虚血性病変、落屑症候群、眼科手術後、水晶体脱臼、膨化、眼内腫瘍、小眼球症、眼外傷など。
眼以外の原因には糖尿病、脳疾患、ステロイド点眼薬などの薬の副作用で眼圧が上がることもあります。
糖尿病や他の網膜症では、網膜症の悪化により酸素が行き渡らなくなるために、房水の排出口である隅角に新生血管という新しい血管がのびてくることで眼圧が上昇します。
そして慢性的に虹彩と毛様体が炎症を起こし、それが原因で房水の流れが悪くなり発祥する緑内障などの疾患が原因になることもあります。
さらにアトピー性皮膚炎などで長期間使用するステロイド薬が原因で起こるステロイド緑内障や、何らかの外傷が原因で房水の流れに障害を与え発症する緑内障もあります。
全身疾患では、加齢とともに体内に増えるアミロイドが原因となりアミロイドーシスを引き起こすこともあります。
そして続発性緑内障は、開放隅角型と閉塞隅角型の2つに分けられ、開放隅角型は交通事故による白内障やぶどう膜炎に伴うものがあり、眼球を強く打った後などしばらくして虹彩のつけ根が眼球壁から外れ線維柱帯の機能が悪くなって眼圧が上がります。
閉塞隅角型は、水晶体が眼球の内部で外れる水晶体の亜脱臼、ぶどう膜炎の外傷により虹彩が押し上げられ、隅角が閉塞することにより眼圧が上昇します。
続発性緑内障の治療法
続発性緑内障の治療は眼圧を下降させるために薬物療法やレーザー治療、手術療法などを適宜行いますが、まずは原疾患の治療を行います。
ぶどう膜炎による炎症が強い場合は薬物治療で炎症をおさえる、網膜虚血性病変による血管新生緑内障の場合はレーザー治療や抗VEGF薬硝子体注射など。
ステロイド薬に起因する眼圧上昇の場合はステロイド薬を注視することで眼圧が下がることが多く、可能な限りやめることが推奨されています。
原因疾患が鎮静化せず高眼圧が続くときは、降圧のために緑内障手術治療も必要になりますが、続発性緑内障は治療に苦慮しやすく少し厄介だと言われています。
続発の元の原因の治療をしないと緑内障が成功しても見えなくなるリスクも高く、緑内障手術が困難になります。
一般的によく使われるトラベクレクトミーでは不十分なことも多く、バルベルトインプラント手術や、アーメドインプラント手術にすることもあります。
緑内障で一度障害された視神経を回復させる治療法はないので、眼圧を下げて視神経障害のさらなる進行をくい止めることが治療の目的となることも理解しておきましょう。
まとめ
今回は、続発性緑内障について紹介してきました。
- 原因は他の眼疾患、全身疾患、薬物使用
- 開放隅角型と閉塞隅角型の2つに分けられる
- 治療は薬物療法、レーザー治療、手術療法など
- 眼圧を下げて視神経障害のさらなる進行をくい止めることが治療の目的
続発性緑内障を発症した場合、視力障害や視野の変状などの後遺症が生じる可能性もあるので定期的に眼科を受診するようにしましょう。