糖尿病網膜症の検査の方法と治療法を解説

2020.01.25

眼の検査機械

脳梗塞や心筋梗塞といった緊急で病院へ搬送されるレベルの症状を伴う可能性もある糖尿病。

そんな糖尿病にはさまざまな症状を発症させるリスクがありますが糖尿病網膜症も1つです。

そんな糖尿病網膜症は一歩間違えば失明の恐れも危険な病気であるため検査による早期発見やその治療が必要不可欠です。

ここでは糖尿病網膜症における検査の重要性と治療法を紹介していますので参考にしてみてください。

糖尿病網膜症とは

糖尿病網膜症とは、血液中の血糖が多くなることで発症する可能性がある糖尿病の合併症として発症する病気です。

糖尿病にはさまざまな合併症が存在しますが代表的なものとして

  • 糖尿病腎症
  • 糖尿病神経障害
  • 糖尿病網膜症

という三大合併症が挙げられます。

糖尿病はいわゆる高血糖状態で血糖のコントロールが不安定です。

この血糖のコントロールが上手くできないと網膜にも影響を及ぼし血管障害として糖尿病網膜症へと繋がります。

糖尿病患者の約40%に見られる症状として知られています。

糖尿病網膜症の検査はどのようなもの?

糖尿病網膜症は、網膜剥離へと進行する可能性もある失明の危険性のある病気です。

ですので定期的な眼科の検査をおこなって病気の進行や早期発見で網膜剥離などを未然に防止しましょう。

糖尿病網膜症と診断されていなくても糖尿病患者であるなら、半年~1年ペースで眼科に通院して検査をおこなうことが大切です。

検査には以下のようなものがあります。

  • 屈折検査
  • 眼圧検査
  • 眼底検査
  • OCT検査

とくに網膜剥離の疑いがある場合は眼底検査が重要となります。

糖尿病網膜症の治療方法

眼病の治療をする医者
もし検査をおこなって糖尿病網膜症の疑いがあった場合には早期的に治療が必要です。

治療方法は、糖尿病では欠かせない血糖コントロールや血圧コントロールをはじめ、網膜症光凝固・硝子体手術・硝子体内注入などをおこなっていきます。

それぞれの治療内容は下記のとおりです。

網膜症光凝固

糖尿病網膜症では、異常に多量の新生血管が発生する可能性があります。

これが続くと硝子体出血や網膜剥離の発症リスクが高まるため新生血管に効果的な治療として網膜症光凝固という方法でおこなっていきます。

硝子体手術

すでに硝子体出血や網膜剥離が生じている場合にこの硝子体手術をおこないます。

硝子体内注入

硝子体内注入とは、抗VEGFなどによる薬による治療方法を表します。抗VEGFは新生血管の発生や出血を防止する効果があります。

また糖尿病黄斑浮腫を改善する効果も見込まれています。

糖尿病網膜症をレーザー治療する場合の費用

糖尿病網膜症におけるレーザー治療とは先にもでてきた網膜症光凝固を指します。

そんな網膜症光凝固で治療をおこなう場合の費用は、片眼で30,600円(3割負担)もしくは特殊なケースで47,880円(3割負担)とされています。

保険に対応している治療方法ということもあって、比較的料金面もリーズナブルで入院もないので治療を受ける上での成約もないので後を引きません。

糖尿病網膜症で治療せずにいるとどうなるか

自分は大丈夫と高を括らず糖尿病網膜症だと診断されたら治療を進めていくことが不可欠と言えるでしょう。

糖尿病網膜症は、徐々に進行していく症状なので深刻なレベルに症状が悪化しても自覚症状が持ちにくい病気です。

一方で自覚症状が持ちにくいからこそある日突然に視界が真っ暗になったとなってももう手遅れの可能性があります。

そのための先にも紹介した眼底検査などの定期的な検査なので、絶対に網膜症の疑いがある場合には早期的に治療に専念するようにしましょう。

糖尿病網膜症の合併症の病気

糖尿病網膜症は、自覚症状が持ちにくい病気であることは説明しましたが、その症状が末期レベルに深刻になると視力低下はもちろん飛蚊症といった症状があらわれる場合があります。

最悪のケースでは網膜剥離や緑内障といった他の病気と合併することもあるので注意が必要です。

まとめ

  • 糖尿病網膜症は糖尿病の合併症として発症する病気。
  • 治療にはレーザー治療含め3種類の方法がある。
  • 治療せずに放置するとある日突然失明する可能性だってある。
  • 網膜剥離や緑内障などと併発する危険性がある。

いかがだったでしょうか? 冒頭でも説明したとおり糖尿病網膜症は失明するリスクすらある病気です。

身体は資本なわけですから目だって例外ではありません。

治療方法や予防方法があるならそれを実施するべきですし、「自分は大丈夫」と高を括ってある日突然に目の前が見えなくなったではもう遅いです。

そうなる前に是非とも今回の記事を参考に検査と治療を検討してみてください。