白内障の種類とは?様々な目の症状や原因について詳しく解説
2018.12.03
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白内障と一言で言っても種類があるのはご存知でしょうか?
みなさんが目で見ている像は、角膜、水晶体を通った光が網膜面で結像したもので、水晶体が濁っているとかすんで見えるようになると白内障と診断されます。
この白内障は、先天性白内障や加齢性白内障、併発白内障などがあり、原因や症状もさまざまです。
そこで今回の記事では、あまり知られていない白内障の種類について詳しく解説します。
先天性白内障
先天白内障とは、先天的な素因により、生まれつき水晶体が混濁する病気のことを言います。
その症状は成長するとともに進行するものがあり、発達白内障と呼ばれることもあります。
主な原因は、常染色体優性遺伝、染色体異常、子宮内感染、さまざまな全身疾患・症候群に伴って起こることもあります。
加齢性白内障
加齢白内障は、誰でも起こる可能性の高い白内障です。
名前のとおり、加齢することで発症する白内障で、80代の多くの方にこの白内障が発見されます。
加齢性白内障のほとんどがこの加齢が原因なのですが、他にも、他の目の病気や炎症、外傷、薬剤、放射線、アトピーなどが原因となり発症することもあります。
症状が進行してくると、水晶体で光が散乱するため物がかすんだり、まぶしく感じたり、二重に見えたりなどの症状と同時に、視力低下が現われます。
水晶体が濁ってしまう原因として一番多いのがこの加齢性の白内障で、水晶体を作っている水とタンパク質が老化によって変性してしまい、水晶体が濁ったり固くなったりしてしまいます。
併発白内障
白内障の多くは加齢(老人)性白内障ですが、身体に何らかの原因があることで、水晶体が濁り発症する症状を併発白内障と言います。
主に、病気や外傷が原因で発症した白内障の場合に併発白内障と診断されることが多いです。
ブドウ膜炎や網膜色素変性症などの眼病から発症するものから、糖尿病やアトピー性など全身疾患から発症してしまうもの、ステロイド剤の使用が原因で発症するものなどさまざまです。
糖尿病性白内障
糖尿病白内障とは、名称のとおり糖尿病に合併する白内障のことです。
加齢性白内障は、何年、何十年という単位で徐々に視力低下が進み発症するのに対し、糖尿病白内障では、進行のスピードが速い特徴があります。
糖尿病性白内障には、40歳以下の若年者が1型糖尿病で観察される真性糖尿病白内障と、高齢者にみられる仮性糖尿病白内障の2種類があります。
白内障が進行して、濁りが中心部にまで達してしまうと、明るいところでもみえにくくなり、視力が著しく低下します。
アトピー性白内障
アトピー性白内障は、アトピー性皮膚炎により白内障を発症させてしまう代表的な眼合併症のひとつです。
なぜアトピー性皮膚炎により合併してしまうのかは解明されていませんが、顔周辺の皮膚炎や皮膚症状が重く、かかっている期間が長いことが関係されていると考えられ、合併してしまう率も高いとされています。
目のかゆみを抑えるために、目をこすったり、叩いたりする行為なども原因ではないかとされています。
また、アトピー白内障の水晶体の濁り方は、レンズの厚い部分にヒトデ状(クローバー状)に拡がる前嚢下混濁や、皿状の後嚢下混濁などの特徴があります。
このような状態が現われてからは、比較的に早い段階で視力低下などにつながることがあるので注意が必要です。
外傷性白内障
外傷性白内障は、病気などではなく、外力による外傷が原因で発症する白内障です。
原因は大きく分けて2種類あります。
- 鈍的外傷
- 穿孔性外傷
鈍的外傷は、何かの物質を眼にぶつけることで強い圧力がかかることで起こります。眼球の茶目部分の虹彩が水晶体に強くあたるので混濁(にごり)が発生します。
穿孔性外傷は、何らかの要因で異物が角膜を貫通し、水晶体を傷つけてしまうことで起こります。目がかゆいからといって強く擦ったりすると混濁(にごり)が発生してしまいます。
薬剤性白内障
薬剤性白内障は、名称のとおり薬剤が原因となり発症してしまう白内障のことを言います。
主にステロイドの長期間服用による白内障が多く、ステロイド白内障とも呼ばれます。
ステロイドは腎臓の上にある副腎皮質で作られるホルモンのうち、糖質コルチコイドという成分を合成した薬で、炎症をしずめ,アレルギーや免疫を抑える効果などがあります。
そのため、関節リウマチなどの膠原病、気管支喘息、肺炎、腎臓病、皮膚病などに用いられます。
しかしこのステロイドを長期間大量に服用してしまうと、目の水晶体がくもって物がみえにくくなってしまい白内障を引き起こしてしまうことがあるのです。
その他の白内障
その他の白内障には、筋無力症性白内障、クロールプロマジン白内障、網膜色素変性症性白内障、高圧電流(落雷)白内障、放射線白内障などがあります。
これらの白内障は、今回紹介してきた加齢性白内障や併発白内障などから起こってしまうことのある白内障なので白内障と診断されたら十分に注意して治療に専念することが大切です。
白内障によってひどく濁ってしまった水晶体は、一般的には手術以外の治療法はないと言われています。
重症化してしまうと、水晶体をもとにもどす点眼薬や内服薬はないのです。
そのため、目に違和感をあれば、症状が悪化する前に、医師に診てもらい、しっかりとした対策を行うようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、あまり知られていない白内障の種類について詳しく紹介してきました。
白内障にはこのように様々な種類があります。
どんな白内障なのかは原因や症状によっても異なってくるので、普段から予防や対策をするようにして白内障にならないように心がけましょう。