片目だけの白内障の手術はしても問題はない?
2022.09.20
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片目だけの白内障の手術はしても問題はないのでしょうか。
白内障は、眼の中のレンズの役割をする水晶体が濁ってしまう病気で、加齢に伴って発生する場合が最も一般的です。早ければ40歳から発症し、80歳を超えるとほとんどの人が何等かの白内障の状態にあるといわれています。
そんな白内障は、片目だけの手術はしても問題ないのでしょうか。今回は、片目だけの白内障の手術について詳しく解説します。
片目だけの白内障の手術はしても問題はない?
結論から説明すると、片目だけの白内障の手術をしても問題はありません。
しかし、片目の白内障手術の場合は、眼内レンズの種類をどうするかということを考えておく必要があります。
白内障手術で目の中に固定する眼内レンズには、大きく分けて単焦点レンズと多焦点レンズがあるのですが、単焦点レンズの場合には、ピントが最も合う距離を5m以上、2~3m、1m、50cm、30cmから選択し、必要なときに眼鏡をかけます。
また、多焦点レンズの場合には、おおむね眼鏡が不要になりますが、細かい作業をするときには拡大鏡などが必要となる場合があります。
こうしたことから、片目だけの白内障の手術は、眼内レンズの種類をしっかりと先生と話した上で、慎重に決めるようにして下さい。
片目だけ白内障手術を受ける場合の注意点
もし片方の目だけを手術する場合は、左右それぞれの視力に強い差が生じる「不同視」に注意する必要があります。
左右で視力差が強いと、メガネなどによる矯正が難しくなってしまい、手術後の生活が不自由に感じてしまいます。
もし仮に不同視になったとしても、もう片方の目も手術すれば解消されますが、最近では、事後的にもう片方の目も手術することを想定して眼内レンズを選ぶようになっています。
片目だけの白内障の場合は全身の病気とは関係ない場合が多く、外傷などが原因のひとつにあります。
その他の具体的な原因としては、常染色体優性遺伝、染色体異常、子宮内感染のほか、さまざまな全身疾患・症候群に伴って起こるものが報告されています。
手術のときは、一般的に手術しないほうの眼にレンズを合わせますが、術後に左右のバランスが悪くなる可能性があるなど、両目を同時期にした方がメリットの多い方もいます。
また片目だけ手術して何十年後に反対の眼を手術する、という方もいるので、ご自身のライフプランに沿うようによく先生と話し合って手術を決めるようにしてください。
手術後の過ごし方
最近の白内障手術は、例外が無い限りほとんどの場合は日帰り手術です。
当日は入浴を控えて、安静にお過ごしください。
手術後1週間ほどは、傷口が塞がってないため、感染症を患いやすい期間なので注意が必要です。
術後から目に触れたり、ゴミや埃・水が入ったりしないよう、充分に気を付けて過ごすようにしましょう。
また、手術後は、しばらく目薬を使用するのが一般的ですが、こちらは大体3か月ほど継続し、診察の都度、医師の指示に従うようにして下さい。
手術の翌日は、経過観察のために来院する必要がある場合もありますが、基本的に翌日から、身体に衝撃や負担のかからない仕事復帰は可能です。
まとめ
今回の記事では、片目だけの手術はしても問題ないのかについて、詳しく解説します。
この記事をまとめると、
- 白内障は眼の中のレンズの役割をする水晶体が濁ってしまう病気
- 白内障は片目だけの手術も可能
- 片目だけの手術を行う場合は眼内レンズ選びをしっかりと行う
- 手術当日は入浴を控えて安静に過ごすようにする
以上となります。
白内障は長生きをするとほとんどの方が発症する病気です。
しかし、日常生活でしっかりと予防をすることで、白内障発症のリスクを軽減することはできるので、普段から予防を心掛けて生活するようにして下さい。