白内障の検査はどのように行う?手術までの流れを分かりやすく解説!

2018.11.06

目の検査を受ける老人

進行すると視力が低下して日常生活にも支障が出てくる白内障はとても恐ろしい病気です。

現在では治療方法が確立されていますが、白内障の検査はどのように行われるのでしょう?

以外と知らない目の検査ですが、いくつか注意事項があったり検査項目があるなどややこしいことがあります。

今回の記事では白内障の検査についてご紹介します。

白内障の検査方法

眼科を受診して白内障の疑いのある方や眼球に異常を感じる方は検査をして目をくまなく調べます。

白内障を発症して症状が進行すると視力が低下してきて、視界が白っぽくぼやけます。

本人はあまり自覚がない事が多いのですが、検査をすることで自分がどれくらい見えるのか、逆に見えていないのか知ることが出来ます。

そのため白内障の検査を行う前には必ず視力検査を行って、本人がどれくらいの視力なのか測定するのが効果的な方法です。

しかし裸眼での視力は年齢を重ねると共に低下していく一方なので、視力が悪いから白内障という診断にはなりません。

そこで白内障の疑いがある患者さんの場合は矯正視力を測定します。

これを「矯正視力検査(きょうせいしりょくけんさ)」と呼び、矯正視力が低下しているのであれば白内障の詳しい検査を行います。

加齢が原因の白内障ですが、加齢が原因となる病気は他にもあるため、眼圧を測定したり眼底をチェックするなど他の検査も行う必要があります。

眼底検査

まずは眼底検査と酔荒れる眼の奥を見る検査をします。

私たちの目は瞳孔によって黒目の大きさを調整していますが、その黒目の部分を開く散瞳と呼ばれる点眼をします。

眼底検査では白内障以外の病気や手術後にどれくらいの視力になるのかなどをチェックしています。

この眼底検査を行った後は瞳孔が開きっぱなしになるため、少しの光でも眩しく感じてしまいます。

特に痛みや違和感を感じる検査ではないので、極端に眩しいものを見ない、暗所でゆっくりしているなどの対策で十分です。

細隙灯顕微鏡検査

細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)では角膜や結膜、虹彩、水晶体、まぶた等の目全体を見るものです。

炎症の有無や緑内障・白内障を発症しているのかなど細かい可能性までチェックできます。

もし白内障を発症しているのであれば水晶体の濁りを確認できるため、多くの眼科が検査項目として導入しています。

また、濁りの確認だけでなく、水晶体がどの程度濁っているのか、どこに濁りがあるのかなど詳細な情報まで把握できます。

角膜内皮細胞検査

角膜の内側を検査するもので、手術に耐えられるのかどうかを確認します。

角膜の内皮細胞が減少している場合は手術が厳しいこともあります。

しかし多くの方は角膜の内皮細胞が手術に耐えられない程減少している事はまずないといえます。

角膜内皮細胞検査はご高齢の方に多く行われる検査です。

他にも検査方法はありますが、上記の検査方法が一般的となっています。

眼内レンズの検査

目の3d解剖図
白内障の治療では眼の中に水晶体の代わりとなる眼内レンズを挿入します。

角膜頂点から網膜までの長さ(眼軸長)はそれぞれ違うため、自分の目に合う眼内レンズの度数を見つけなければなりません。

眼内レンズの度数を調べる検査を「眼軸長検査」と呼び、白内障の手術を受ける方は必ず受けます。

100分の1ミリ単位で細かく調整するためとても繊細な検査となります。

どのようにして長さを測るのかと言うと、超音波を照射して眼の奥に音波が当たって跳ね返ってきた時間から距離を計測します。

検査にかかる時間

以前まで行われていた眼軸長検査は超音波を真っすぐ当てるのが難しかったため、何回も測定することがありました。

現在では光の跳ね返りによって距離を測定する光眼軸長測定装置が新しく開発され、計測がすぐ終わるようになっています。

しかし光が上手く跳ね返らないほど白内障が進行している方は従来の超音波による測定を行います。

取り扱いのないクリニックもありますので、検査時間を短く正確にしたい方は光眼軸長測定装置を取り扱っている眼科・クリニックがおすすめです。

白内障だけでなく緑内障等の問題・合併症を抱えている状態の方はより詳しい検査を行うこともありますので医師とご相談ください。

白内障の検査費用

白内障の検査費用についてですが、白内障の検査を行った場合は手術まで織り込まれます。

そのため検査費用だけという事がなく、手術費用、点眼や飲み薬といった処方箋まで含めた額となっています。

詳細な費用に関してはその病院によって異なりますが、保険適用の単焦点レンズの場合は1割負担で約~2万円、3割負担で3~6万円が目安です。

レンズの製作費用も含まれていますので保険適用の手術であれば誰でも受けられる手術ですね。

近視だけでなく乱視や老眼、遠視なども矯正してくれる眼鏡やコンタクトレンズの代わりとなる多焦点レンズの場合は全額負担となるため、40万円前後の費用がかかるのでご注意ください。

初期の白内障の場合

白内障だと診断された場合でもごく初期の段階であれば手術以外の選択肢もあります。

点眼薬による治療が可能で、進行を遅らせることが出来ます。

しかしあくまでも白内障の進行を遅らせるための治療なので、完治するわけではないのが難点です。

徐々に進行して視野が白っぽくなってしまったり、視力が低下してしまうことがあります。

瞳孔に目薬を差す頻度

白内障の治療として目薬を差す頻度は1日2回が一つの目安となっています。

もちろんその人の年齢や処方される点眼薬によって量が増えることもあります。

それほど多くの薬を目に差すわけではないので、ご自身の負担になることは少ないでしょう。

しかし進行を遅らせるためだけなので、負担に感じるようであれば思い切って手術を受けるのも一つの手です。

白内障の検査まとめ

いかがでしたか?

今回のページでは白内障の検査についてご紹介しました。

白内障は加齢とともに進行することが多い病気ですが、目の病気は他にもあるため詳しい検査が必要になります。

白内障と診断された後も眼内レンズを作るために検査を行うため、白内障になったら検査を繰り返さないといけません。

予めどのような検査が行われるのか知ってから病院を訪れましょう。