白内障と糖尿病の関係性とは?将来失明の可能性もある病気を解説!

2019.04.09

砂糖とミニチュアの人形

加齢が原因で起こる白内障ですが、実は糖尿病やアトピー性皮膚炎によっても引き起こされることをご存じですか?

糖尿病患者さんの白内障は進行してしまうと失明の可能性もあって、非常に危険であると言われています。

しかしどうして糖尿病患者が白内障を患ってしまうのでしょう?

そもそも白内障を詳しく知らないって方は、「白内障とはどのような病気?」をまず読んでください。

そしてこの記事では白内障と糖尿病の関係性についてご紹介します。

白内障と糖尿病の関係

糖尿病はインスリンの分泌量がコントロールできなくなり、作用が十分でない状態でブドウ糖が有効に使われない病気です。

それがなぜ目の病気である白内障に関係しているのでしょう?

糖尿病を発症すると様々な悪影響が体に出てきますが、糖尿病の合併症の中でも「網膜症」「神経障害」「腎症」の3つが三大合併症といわれています。

三大合併症の一つである「網膜症」は目に関係ある合併症ですが、ひとまず置いておきましょう。

糖尿病によって引き起こされる白内障には大きく分けると「真性糖尿病白内障」と「仮性糖尿病白内障」の2種類があります。

どちらも高血糖が原因であると言われていて、血糖値が高くなる糖尿病患者に多い病気です。

まずはこの2つの病気から見ていきましょう。

真性糖尿病白内障

一型糖尿病によって引き起こされると言われているのが「真性糖尿病白内障」です。

白内障患者の3%がこの真性糖尿病白内障であると言われていて、40歳未満の方に多い傾向になっています。

主な特徴は加齢性の白内障と全く一緒ですが、40歳未満の方に加齢性白内障が出てくるケースは極めて稀なため、40代未満で白内障を発症した場合は糖尿病が原因であると考えられます。

一過性の白内障というものもあり、重症な高血糖に対して急激に血糖値を下げた場合に白内障が起こる可能性があります。

この一過性の白内障は自然回復する事がありますが、一過性の白内障自体があまり起こらないため殆どの方は白内障手術を受けることになります。

仮性糖尿病白内障

仮性糖尿病白内障は加齢性白内障を既に発症している方に付けられる病名です。

なぜ仮性なのかというと、白内障を発症していてもその原因が加齢によるものなのか、糖尿病が原因なのか特定が難しいからです。

そのため50代以上の患者さんに付けられることが多くなっています。

自分が50代以上で糖尿病を患っている場合に白内障が発症した場合は加齢か糖尿病かどちらかが原因で白内障になったものだと考えましょう。

糖尿病白内障の恐ろしさ

頭を抱える男性

糖尿病によって引き起こされる白内障はとても恐ろしいもので、最悪の場合失明に至る恐れもあります。

白内障自体は失明の心配がなく、治療方法も確立されているため手術をすれば治ります。

もちろん糖尿病によって発病した白内障も手術をすれば治りますが、それほど単純な問題にならないのが糖尿病の恐ろしい所です。

糖尿病網膜症による失明リスク

糖尿病の三大合併症の一つ「網膜症」がここで登場します。

眼底にある薄い神経の膜の網膜はものを見るために重要な役割をしていますが、血糖が高い状態が続くと細い血管が少しずつ損傷を受けて変形したり詰まってしまいます。

網膜が酸欠状態に陥ることで出血を起こしやすくなったり、網膜にかさぶたができたりすることで網膜剥離を起こす危険性が高まります。

網膜剥離が起こると失明してしまいますが、糖尿病が大きく関係している網膜症は10年くらいの年月をかけてゆっくりと進行するものです。

通常は眼底検査を行うことで発症する前に食い止めますが、白内障になると眼底検査が上手く行えなくなってしまいます。

視力低下は白内障が原因だったと思っていたら、実は手遅れな状態にまで網膜症が進んでいたなんてこともあります。

現在では網膜剥離によって出血した状態の眼球を手術で治す硝子体手術がありますが、成功率は60%程度なので早期に発見して早めに治療をするのが重要です。

レーザーで目を切開して眼球内で処置を行うため成功させるには医師の技術が大切になります。

成功しても術後の視力が0.01程度など健康的な生活を送るのが難しいこともありますので自覚症状が無くても眼科で定期的な検査を受けるようにしてください。

血糖値が目に与える影響

血糖値が高くなると細菌に対する抵抗力が低くなり、感染症を始めとした病気のリスクが高まります。

目に付いても網膜症や白内障等のトラブルが起こりやすくなります。

手術をすれば治ると思って居る方も多いですが、血糖値が高い状態が続くと創傷治癒が遅くなってしまったり、角膜の内側を覆っている角膜内皮細胞の数が極端に減ってしまいます。

角膜内皮細胞が減ると角膜が濁って視力低下を招くため角膜移植による治療が必要になります。

白内障手術を行うと角膜内皮細胞の数が減ってしまうため、そういった病気のリスクを避けるために手術をすぐに行わないことがあります。

血糖値が高い状態が続くとそういった目のトラブルにつながるので注意しなければならないのです。

白内障と糖尿病の関係性まとめ

いかがでしたか?

今回のページでは白内障と糖尿病の関係性についてご紹介しました。

糖尿病を患っている方は白内障を発症しやすくなってしまい、失明に至る網膜症を引き起こす確率が高くなります。

目の病気は他にも緑内障などがありますが、糖尿病の方は目の病気に気を付ける必要があります。

白内障は手術をすれば治る病気ですが、そもそも手術が行えないという可能性もあるのでご注意ください。

糖尿病にならないような生活を気を付けることが大切ですが、既に糖尿病を発症している方は治療に専念すると共に生活習慣も改善して少しでも合併症の予防を心がけましょう。

もし目に関する不安や異常がある方は眼科医に相談して詳しい検査を行いましょう。