白内障の手術に高額療養貸付制度は利用できる?

2022.07.13

白内障の手術に高額療養貸付制度は利用できる?

白内障の手術に高額療養貸付制度は利用できるのでしょうか。

白内障の手術は、片目でも1割負担で約20,000円、2割負担で約40,000円、3割負担で約60,000円の費用がかかります。

そのため、治療後の治療費をその場で支払えない方もいます。

そんなときに、白内障手術でも高額療養費資金貸付制度を用いることはできるのでしょうか。

今回は、白内障の治療費で、高額療養費資金貸付制度を利用できるのかについて解説します。

白内障の手術に高額療養貸付制度は利用できる?

結論から説明すると、白内障の手術に高額療養貸付制度を利用することはできます。

申し出手続きができるのは、本人、世帯主、住民票上同世帯の方で、これら以外の方が申し込み手続きをされる場合は、申し込み手続きができる方の記入した委任状を用意する必要があります。

対象者の例としては、限度額適用(標準負担額減額)認定証の交付が受けられない方、認定証を提示する前に、医療機関等から医療費の請求をされている方、入院中に月の途中で転院となり、それぞれの医療機関で認定証を提示し、それぞれの医療機関から限度額適用後の入院費を請求された場合(1ヶ月の医療費が通常よりも多く請求された場合などがあります。

高額療養貸付制度とは

そもそも高額療養貸付制度とは、どのようなものなのでしょうか。

高額療養貸付制度は、医療機関や薬局等が被保険者に請求する一部負担金のうち、本来その一部負担金を完納後に被保険者が市区町村へ申請することで支給を受けられる高額療養費に該当する高額療養費支給見込額に近い金額(国民健康保険では給付見込金額の90%、全国健康保険協会管掌健康保険と船員保険は給付見込金額の80%)を、被保険者に貸し付ける制度です。

貸し付け金額の返済には、貸付により医療機関等への支払いが完了することで支給可能となる高額療養費が充てられるので、被保険者の方に新たな負担は生じません。

各保険に加入している人は基本的に利用できるのですが、

  • 医療機関等の承諾が得られていない場合
  • 健康保険料の滞納がある場合

これらに該当するような場合は、利用できないことがあります。

高額療養貸付制度の申し込み方法

加入する保険者によって異なりますが、国民健康保険では次の手続きを行います。

  1. 貸付申請書類の交付(必要なものは保険証):医療機関等の承諾を得た後、保険証を持参の上、住所地の役所(出張所)保険年金担当課へ出向き、窓口にて申請書類を受け取ります。
  2. 医療機関等への医療費(自己負担限度額)の支払い:医療機関等で申請書類に必要事項を記入してもらい、自己負担限度額までの一部負担金を医療機関等へ支払います。ただし、食事代や保険診療の対象とならないものは別途負担する必要があります。
  3. 申請書類の提出(必要なものは保険証、貸付申請書類、領収書、印鑑):保険証、貸付申請書類、領収書および印鑑を持参し、住所地の役所(出張所)保険年金担当課へ申請書を提出して貸付申請手続きは完了です。

貸付ができるのは、高額療養費が支給可能な期間です。

高額療養費支給の申請可能期間は、診療年月の翌月1日(一部負担金を診療月の翌月以降に支払った場合は支払った翌日)から2年間になることを覚えておきましょう。

高額療養貸付制度の利用時の注意点

高額療養貸付制度は、該当する人であれば利用することができますが、注意点もあります。

  • 貸付の対象は、医療機関ごとに異なるのでしっかりと確認する
  • 入院と外来は別々の取り扱いになる
  • 暦月の医療費が自己負担限度額を超えない場合は利用できない
  • 診療月の翌月1日から起算して2年を経過すると時効により利用できなくなる

また、加入している医療保険の種類によって、内容が異なるケースがあるので、詳しくは各自治体または健保組合に確認するようにして下さい。

まとめ

白内障の治療費で、高額療養費資金貸付制度を利用できるのかについて紹介しました。

この記事をまとめると、

  • 白内障の手術に高額療養貸付制度を利用することはできる
  • 医療費が自己負担限度額を超えない場合は利用できない
  • 被保険者に貸し付ける制度
  • 被保険者の方に新たな負担は生じない
  • 加入している医療保険の種類によって、内容が異なるケースがある

以上となります。

高額療養費資金貸付制度は、病院等への支払に充てる資金を無利子で融資する高額療養費貸付制度です。

白内障の手術を行いたいが費用が心配という方は、各自治体または健保組合に確認してみることをおすすめします。