視力低下は40代から?その理由を説明します!

2019.08.08

メガネ

視力が低下する時期としては、よく40代から始まると言われますが、果たして本当でしょうか?

40代から視力が低下する原因が分かれば、それを予防する方法もわかるようになるはずです。

この記事では、なぜ40代から視力低下が始めると言われるのか、その理由について詳しく解説していきます。

視力低下は40代からはじまる?

目のなかには水晶体というカメラのレンズのような組織があり、この水晶体は遠くのものや近くのものにピントを合わせる役割を担っています。

近くのものを見るときには、水晶体を支える毛様体小帯が緩み、その結果として水晶体の厚みが増すことで、ピントが合うようになっています。

しかし、年齢を重ねると、水晶体が固くなってしまい、毛様体小帯が緩んだとしても、水晶体の厚みが変わりにくくなってしまいます。

その結果として、近くのものが見にくくなります。

眼球の水晶体は加齢とともに弾力を失なってしまうので、近くのものに焦点を合わせにくくなる宿命にあります。

こうした症状は一般に老眼と呼ばれますが、老眼の症状が出てくる年代がちょうど40代くらいであるので、視力低下は40代から始まるとよく言われているのです。

早い人では40歳前後から、平均で45歳くらいになるとものがよく見えなくなって、視力低下を自覚するようになります。

つまり、40代から視力が低下したと感じる人の多くが、老眼が原因として視力の低下を感じています。

老眼は、誰でも年齢を重ねればいつかは訪れることになる人間の肉体的な現象の一つです。

ただし、40代から視力の低下を自覚することが多いものの、実際には視力の低下は30代には始まっています。

老眼になると、近くの細かい字が読みづらくなったり、近くから遠くへ、遠くから近くへと距離の違うものに素早くピントを合わせことが難しくなります。

40代からの視力低下の原因の多くが老眼によるものですが、老眼が原因による視力低下と思っていたものが、実は白内障・緑内障・網膜静脈閉塞症・糖尿病網膜症・加齢黄斑変性症といった病気の結果として生じていることもあるので注意が必要です。

視力が低下していると感じた場合には、自己判断をせずに、専門的な知識のある医師に診断してもらうことが大切です。

40代で視力が低下する様々な要因

40代になると衰えるのは、毛様体小帯だけではありません。

以下では、40代で視力が低下する様々な要因について詳しく説明していきます。

網膜の感度の低下

加齢に伴って、網膜の光に対する感度は低下していきます。

その結果として、光を感じる力が弱くなってしまい、暗闇でものが見えにくくなってしまいます。

水晶体の弾力性の低下

加齢によって、失われるのは網膜の感度だけではありません。

水晶体の弾力性の弾力性も加齢に伴って失われていきます。

水晶体の弾力性が低下すると、ピントを素早く合わせることができなくなります。

ピントを合わせることに時間がかかるので、近いものから遠くのものを見たり、逆に、遠くのものから近くのものを見たりすると、目の前がぼやけて見えるようになります。

水晶体の混濁

水晶体は加齢とともに白濁していきます。
この症状が進行したものが白内障です。

40代になると、水晶体も白濁してきます。

水晶体はカメラのレンズのような役割を担っているものなので、このレンズが濁れば当然ピントが合わなくなり、視力が低下したと感じるようになります。

目の乾き

加齢とともに、目も乾きやすくなります。

目が乾くのは、涙腺が水分を生成し、目を適切に潤った状態に維持しているからです。

この症状がひどくなると、ドライアイとなります。

連続してPCで作業をするような人は、目を酷使するので目が乾きやすくなります。

PC作業によって目が乾きやすい状態となっていることは、コンピュータ症候群と呼ばれる立派な病気です。

目が乾く結果として、ものが見にくくなったり、ぼやけて見えるようになってしまいます。

老眼になったらどうしたら良い?

スマホを見る老人

老眼は、人間であれば誰でも経験する可能性があるものです。

老眼の結果として、視力の低下を感じるのであれば、どうしたら視力を矯正することができるでしょうか?

老眼に対して適切な対策を行わないと、脳が「もっとよく見ろ」と指令を出すようになります。

それによって、目の負担が増えるようになると、「頭が重い」「イライラする」「疲労感が取れない」「よく眠れない」などの症状が現れることもあります。

40代になって、老眼の症状が出てきた場合には、まずはきちんと対策をしなければなりません。

老眼の症状は年々進行し、視力が安定するのは60歳前後と言われるので、きちんとこの期間に対策を講じておく必要があります。

老眼は目の毛様体小帯の衰えが主な原因であるので、これを鍛えることで症状の進行を遅らせることができます。

もちろん、適度な休息をとり、目を酷使しないようにすることが何よりも大切ですが、そのようなことが難しい場合には、1日に数回程度次のような運動をすることによって、毛様体小帯を鍛えることが可能です。

近くを見たり、遠くを見たりを繰り返す

老眼は、毛様体小帯が衰え、水晶体の厚みが変化しにくくなった状態です。

そのため、水晶体の厚みがきちんと変化するようにするためには、毛様体小帯を鍛えることが重要となります。

毛様体小帯を鍛えるためには、まず、自分でペンを持ち、そのペンを10秒間程度見つめるようにします。

その後、10m以上先にある何かをみるようにします。

これを3セット程度繰り返すことによって、遠いものと近いものにピントを合わせようとするので、毛様体小帯を鍛えることができます。

この方法はあまりやりすぎると気分が悪くなる可能性があるので、適度な回数を繰り返すようにすることが大切です。

目を開いたり、閉じたりする

目を開いたり、目を閉じたりすることも効果的なトレーニングです。

まず、目を閉じた状態を5秒間キープします。

その後、目を見開いて、3秒間この状態をキープします。

そうすることで、目の周辺の筋肉を鍛えることで、目の健康を守ることができるようになります。

眼球を回す

最後に紹介するのが、眼球を回す方法です。

顔を動かさないように固定しながら、眼球だけを回すように意識して行ないます。

上→斜め左上→左→斜め左下→下→斜め右下→右→斜め右上の順番に眼球を回していき、次に逆の順番で眼球を回していきます。

このトレーニングのポイントはできるだけゆっくりと眼球を回すようにすることです。

急いで眼球を回す必要はなく、急いですると気分が悪くなったりすることがあるので注意しましょう。

これを3セット程度行なうことで、視力低下を防ぐことができます。

まとめ

視力の低下は、人間であれば誰にでも起こる現象です。

視力の低下自体は30代から進行していますが、自覚症状として現れてくるのがおよそ40代です。

多くの場合、こうした症状は老眼と呼ばれるものですが、視力が急激に低下した場合など、特異な症状があった場合には、目の病気が原因の可能性もあるので注意が必要です。

加齢に伴う視力の低下を避けることはできませんが、視力低下の進行速度を遅らせることは可能です。

そのためには、日々の生活のなかで目を酷使しないように心がけながら、きちんと目を鍛えるトレーニングを行なうことが大切です。