飛蚊症は目薬で治療できるのか?その効果や改善事例とその真実とは
2019.04.11
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飛蚊症(ひぶんしょう)は目薬によって治すことはできるのでしょうか?
ある日突然、目の前に蚊やゴミのようモノが飛んで見えたり、雲のようなものが浮いて見えたり、墨を流したように黒く見えたりといった症状を自覚するようになると飛蚊症になっている可能性があります。
今回はこの、飛蚊症は目薬で治すことができるのか?について詳しく解説します。
飛蚊症は目薬で治るのか?
結論から説明すると、飛蚊症を目薬で治すことはできません。
理由は、飛蚊症に効果のある目薬が現時点ではないからです。
飛蚊症の原因は、「飛蚊症の治し方 – 原因や症状による治療方法と予防方法について解説」に詳しく書いていますが、硝子体の濁りなので、この硝子体の濁りを解消するためには、その濁りを化学的に溶かす、あるいは、物理的に除去といった方法しかないため、目薬では治療ができないのです。
点眼薬では、除去するということは当然できないので、現代医学においても飛蚊症に効く目薬はありません。
しかし、目薬で飛蚊症が良くなったという事例も存在します。
その理由は簡単で、硝子体の濁りは自然に溶けることや自然に移動して目立たない場所へと移動することもあるので、飛蚊症で悩んでいた方が目薬を使うことで治ったと錯覚しているだけです。
このようなケースは、目薬の使用に関係なく、たまたま良くなっただけのことにすぎないのです。
場合によってはMRフタワソニックを使ってみるのも手です。
飛蚊症の検査に目薬を用いる
目薬によって飛蚊症の症状を改善することはできませんが、飛蚊症の検査の1つ「眼底検査」を行う場合に、目薬が用いられます。
眼底検査は、目の中の硝子体や目の奥の網膜に異常がないかを検査する方法で、まず目薬をして瞳孔を開かせ眼球内部が良く観察できるようにします。
目薬を点眼してから30分から数時間(病院や点眼薬によって異なる)で、瞳孔が開き検査しやすい状態になります。
目薬を点眼したあとは、光を眩しく感じたり、近くのものがぼやけて見えたりしますが、網膜に孔や裂け目がないかを確認する必要があるため、眼底検査は必ず行われます。
この検査によって、特に病気や異常が見つからなければ、生理的(一時的)な飛蚊症なので特に気にすることはありません。
しかし、精密眼底検査で見つかる目の中の病気には、
- 白内障
- 緑内障
- ぶどう膜炎
- 網膜裂孔、網膜剥離
- 眼底出血
- 糖尿病性網膜症
- 高血圧性網膜症
- 黄斑変性症
- 中心性網脈絡膜症
などがあるので注意するようにして下さい。
特に、中高年以上の方は注意が必要で、加齢によって硝子体はゼリー状から液状に変化してしまい、硝子体はしだいに収縮して網膜から剥がされていく「硝子体剥離」が起こることがあります。
このような加齢が原因による、徐々にはじまる変化が飛蚊症の原因ともいえ、小じわや白髪と同じように時間の経過によって起こり始める自然現象とも言えます。
また、若い方でも「近視」の症状があるような方は、硝子体剥離が起こりやすく、飛蚊症の原因ともなります。
病気ではないタイプの飛蚊症は、治療の必要は特にありません。
症状が現われはじめるとうっとおしく感じることもありますが、時間の経過とともに慣れ、気がついたころには消えていることが多いです。
また、加齢による硝子体剥離は病気ではありませんが、場合によっては、網膜を引き裂くこともあるので注意が必要です。
他にも、検査によって病気が見つかったような場合は、その病状によって治療をする必要があります。
まとめ
飛蚊症は目薬で治すことができるのか?について解説してきました。
飛蚊症の原因は、硝子体の濁りなので、この硝子体の濁りを解消するためには、その濁りを化学的に溶かす、あるいは、物理的に除去といった方法しかないため、飛蚊症に効果のある目薬は現時点ではありません。
そのため、飛蚊症の症状が気になるような場合は、何かしらの目の病気を抱えている可能性もあるので、早めに受診するようにして下さい。