黄斑浮腫とは?その症状や原因、治療方法を解説

2020.06.02

片目

網膜の中心部に位置する黄斑に浮腫が生じる病気を黄斑浮腫と言います。

「浮腫」という言葉に聞き慣れない方は、顔・腕・脚などにも起こる「むくみ」と考えていただければ分かりやすいでしょう。

今回は、そんな黄斑浮腫について紹介していきますが一体どのようなモノでしょうか。

症状・原因・検査方法・治療方法など交えて、黄斑浮腫の概要を説明していきます。

黄斑浮腫とは?

黄斑浮腫は、糖尿病網膜症の合併症として網膜の中心部である黄斑部に液状成分が溜まって、黄斑部がむくむ病気を指します。

糖尿病が原因で発症する眼病であることから糖尿病黄斑浮腫とも呼ばれています。

黄斑浮腫の症状

黄斑浮腫は、黄斑部のむくみを起こした後、視力低下・変視症・霧視・歪視などの症状を伴います。

発症した初期段階では、黄斑浮腫の症状は軽度ですがそこから進行していくと黄斑の中心部までむくみが生じて著しい視力障害にまで発展します。

黄斑浮腫になる原因

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症で伴う眼底出血・ぶどう膜炎などを原因として発症するのが黄斑浮腫。

冒頭でも説明したように、黄斑部に液状成分が溜まって、黄斑部がむくんで黄斑浮腫を発症します。

初期段階では問題なくても放置することで網膜の神経に障害が起きたり、視機能が改善しない可能性があるので注意が必要です。

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黄斑浮腫の検査の方法

タブレットを操る医師
黄斑浮腫の場合、視力検査・眼底検査・OCT検査を中心におこないます。

視力検査では黄斑上部にある網膜のシワの程度を測定し、眼底検査では黄斑部の網膜上部にある膜やそれによって生じたシワを観察。

OCT検査だと網膜の断面図を見える化して、網膜のどの層にむくみが生じているかなどを確認していきます。

そのほかにも網膜の血管に出血が起きているかを測定する蛍光色素の入った造影剤を用いた蛍光眼底造影などがあります。

黄斑浮腫の治療方法

治療する場合には、むくみの原因・視力の低下度合いに応じて薬物療法・レーザー治療・硝子体手術などで改善を図っていきます。

薬物療法なら黄斑の浮腫を軽減し、視力回復にも一役買ってくれるステロイド薬を服用します。

また、毛細血管瘤や血液が漏れ出ている状態であるならばレーザー光凝固術にて局所凝固をおこないます。

それ以外にも眼の中にある血管内皮細胞成長因子という黄斑浮腫の原因ともされる物質の働きを抑制する抗VEGF抗体療法といった注射治療もあります。

黄斑浮腫の治療後

黄斑浮腫の治療後は、瞬時に視力が回復するわけではないものの時間経過とともに緩やかに視力回復を期待できます。

また、黄斑浮腫を発症してから長い時間が経過してしまうとその分治療後の視力回復にも限度があるので早期的な検査&治療が必要です。

まとめ

いかがだったでしょうか? 今回は黄斑浮腫について紹介していきました。

失明リスクをはらんでいる糖尿病から来る病気ということで安易に考えることはできません。

幸いにも眼病の中では、治療方法が揃っているので検査結果次第では早めに治療に移りましょう。