白内障の手術後に気を付ける点とは?具体的な注意事項をご紹介!

2018.11.22

紙に書く医者

白内障の手術を受けた後は様々な注意事項があります。

普段の何気ない行動でも制限されるますが、それらを守らないと合併症を招く恐れがあるためとても気を使います。

他にも白内障の手術後に見え方が変わってしまうため慣れるまで時間がかかります。

今回の記事では白内障の手術後に気を付けるべき点をご紹介します。

白内障手術後の経過観察

白内障手術を受けた後は経過観察を行うのが基本です。

通常は白内障手術日の翌日に検診を行い、点眼薬や飲み薬を処方してもらって自宅療養となります。

自宅療養の際にはいくつか注意しなければならない事項がありますが、手術前の日常生活から少し気を付けるべき点が増えています。

まずは術後1週間までの注意事項から見ていきましょう。

入浴について

眼を手術した日は入浴が出来ません。

翌日から首から下の入浴は許可されますが、目の中に水が入らないようにする必要があります。

もちろん洗髪も行ってはならないため水で軽く流す程度に留めておき、顔を洗う際は洗顔フォームや石鹸などは使わずに濡れたタオルで優しく拭くだけにしてください。

2日以降からは洗顔・洗髪共に行っても大丈夫ですが、髪の毛を洗う際は目を閉じて洗って目の中にシャンプーが入らないようにしたり、顔を強く擦らないようにしましょう。

術後1週間経過したらいつも通りにお風呂に入っても大丈夫です。

また、お化粧も可能となるので術後1週間を目安にいつも通りの生活へお戻りいただけます。

車の運転について

手術後に車の運転は行ってはいけません。

これは見え方が変わるためで、手術後1週間から1ヶ月は今までと見え方が異なると言われています。

今見えている感覚と手術後に見える感覚が違うので術後の感覚になれた状態になるまで車の運転は行わないようにしてください。

視力が変わる可能性もあるため必要であれば視力を矯正するための眼鏡を作る必要も出てきます。

一つの目安となるのは術後1週間ですが、車の運転は様子を見ながら行うようにしてください。

また、夜の運転は周りが見えないこともありますのでメガネを作って日中の運転に慣れてからの方が良いです。

運動について

今まで運動をされていた方は体が元気なので白内障手術後も運動を行いたいと思います。

しかし目を縫合しているためあまり激しい運動は手術後から約1か月後から行うのが良いとされています。

激しい運動でなければ1週間後から可能となるので、体が鈍らないようにウォーキングやジョギングなどを継続して行うのをおすすめしています。

また、医師の判断によっても変わりますのでスポーツを日常的にしている方は担当医師に相談してみてください。

おそらく2週間から1ヶ月は様子を見るように言われるはずです。

白内障の手術後によくある質問

医者と話す人
白内障の手術は目を切開して特殊なレンズを眼内へ挿入するものなのでとてもデリケートです。

さらに見え方まで変わってしまうため、様々な注意事項があることはお分かりいただけたかと思います。

ですが白内障の手術後に気を付けるべき点については数多くあり、患者さんが様々な質問を投げかけます。

そこで次は白内障手術後に多い質問とその答えをご紹介します。

コンタクトや眼鏡の見え方が変わった

手術後に一番多いのは手術前から使っていたコンタクトレンズ・メガネを使うと見え方が違うというものです。

目の中に眼内レンズを入れるために起こるもので、見え方が変わらない方が珍しいものです。

今まで使っていた眼鏡やコンタクトレンズが使えなくなることが多いので、手術後から一定期間おいたあとに眼鏡・コンタクトレンズを作り直すのが良いでしょう。

また、見え方に関しても慣れてくるまで時間がかかるので、めがね・コンタクトレンズを作る際は手術後から1ヶ月を目安にしてください。

運転免許の更新は大丈夫?

白内障患者さんはご高齢の方が多いのですが、運転免許の更新は視力がしっかりと確保されていれば問題ありません。

そのためには免許更新の1か月前までには手術を終わらせておく必要があります。

メガネやコンタクトレンズを作る際に運転免許の更新に必要な矯正視力になるように調整しましょう。

但し見え方に慣れる時間も考えると最低でも免許更新の2か月前までには手術を終わらせておくのが一番です。

眼球の痛みはある?

白内障手術の安全性はとても高く、手術中でも痛みが出ることは稀と言われています。

点眼麻酔を行って麻酔が効いたあとにテノン嚢下麻酔を追加するため痛みは全く感じません。

手術後も同様で、レーザーによって切開した眼球が傷むことは殆どありません。

医師に処方された点眼薬や飲み薬を用法用量を守って使用すれば痛みが出てくることはないでしょう。

万が一目を強く擦ってしまったり強い衝撃が加わってしまった場合は痛みが出てきますが、そういった場合にはすぐに眼科を受診してください。

仕事はいつから出来る?

デスクワークであれば休憩を挟みながら仕事を行えば問題ありません。

目が疲れやすくなってしまうので眼球保護のためにも仕事は休むことをおすすめしています。

テレビやスマホ、読書等も同様で、目を疲れさせない程度に使う事が大切です。

また、汗が目の中に入る危険性のある肉体労働は厳禁で、最低でも1週間以上は控えた方が良いです。

手術後の仕事に関しても主治医に相談してある程度の目途を立ててもらいましょう。

飲酒・喫煙は問題ない?

目の手術だから飲酒・喫煙は関係ないと思われている方が多いですが、実はそうではないのです。

食事についての詳しい制限はありませんが、お酒は炎症を悪化させたり傷の治りを遅くする可能性があるため1週間は禁止されます。

たばこも同様で、たばこの煙は刺激が強く目に入るといけないものなので同様に1週間は控えてください。

どうしても我慢が出来ないという方も多いですが、再手術になると体にも生活にも大きな負担となるためご注意ください。

白内障手術の基本

手術の準備をする医者
このような注意事項があるのは白内障手術の特徴です。

目に入る光は水晶体と呼ばれる場所で屈折し、視神経に届くことで見えるようになりますが、この水晶体が白く濁ることが原因で見えにくくなってしまいます。

検査を行えば自分が白内障なのか、別の病気なのか簡単にわかりますので視界が白っぽくぼやけていたり視力の低下が気になる方は一度専門の病院で診察を受けることをおすすめします。

そのため白内障患者さんの白く濁ってしまった水晶体を削って水晶体と同じ働きをする特殊な眼内レンズを挿入します。

この手術自体はとても簡単で、時間は20分程度もあれば完了します。

さらに日帰り手術も可能、健康保険適用範囲内なので誰でも気軽に受けやすいのが特徴です。

初期の白内障であれば目薬で進行を遅らせることが出来ますが、完治はしないため手術が必要になります。

見え方が変わる理由

白内障の術後に見え方が変わる大きな要因としては眼内レンズの挿入が挙げられます。

上記でもご説明したように、自分の水晶体を削って新しいレンズを入れるわけですから以前とは見え方が変わってしまいます。

自然となれるものですが、どうしても最初のうちは違和感を感じてしまいます。

一般的に使われているものは一つの場所に焦点が合わせられる単焦点レンズと呼ばれるものですが、近視になったり老眼になったり見え方が顕著に変わります。

見え方に良い変化をもたらしたい方に使っていただきたいのが「多焦点レンズ」と呼ばれるもので、日本では先進医療に認定されている物もあるレンズです。

様々な場所にピントが合うため近視・遠視に悩む必要がなくレーシック手術を受けたような画期的な見え方になります。

乱視を矯正してくれるタイプもあるのでスッキリと見やすくしたい方にはとてもおすすめです。

しかし保険適用外となっているため自費負担額がとても大きく、高い物では費用が40万円を超えるものもあるためご注意ください。

自分の加入している生命保険会社に先進医療特約があれば給付金を受けられる可能性が高い為、案内パンフレットを読むか保険会社のスタッフにお問い合わせください。

術後の合併症

白内障の手術後に手術を原因とした症状が出てくる可能性があります。

これは術後の合併症と呼ばれていて、必ずしも起こるわけではありませんが誰が発症してもおかしくないものです。

細菌が何らかの原因で目の中に入って感染することで起こるものやレンズが白く濁ってしまう後発白内障、飛蚊症などが該当します。

後発合併症に関しては様々な種類があり、自分で防ぐためには医師の指示に従って点眼薬を使用するのが一番です。

万が一合併症が発症してしまった際は早期発見・早期治療が鍵となりますので術後は定期的に眼科を訪れましょう。

少しでも色の見え方や感覚に異常を感じたりケアの方法に不安があればすぐに医師に相談してください。

白内障手術後の注意点まとめ

いかがでしたか?

今回の記事では白内障の手術後に気を付けるべき点をご紹介しました。

白内障の手術後は視力が安定しなかったり見え方に違いが出るため運転や仕事、運動などは控えましょう。

また、シャンプーの仕方も注意が必要で目に入らないように気を使う必要があります。

汗や菌が入ると傷口から感染してしまう恐れがあるため、手術後は目の周りを刺激しないようにしたり、汗や菌が入らないように工夫しましょう。