後発性白内障は何度もなるのか?再発リスクと治療法
2025.02.18
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白内障手術を受けた後、「また視界がかすむ…」と感じることはありませんか?
それ、もしかしたら「後発性白内障」かもしれません。
白内障は手術で治る病気ですが、術後しばらくしてから再び視力が低下することがあります。
「また白内障になったの?」
「何度も後発性白内障になるの?」
と不安に感じる方も多いでしょう。
この記事では、後発性白内障が何度もなるのか、再発リスクや治療法について詳しく解説します。
目の健康を守るために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
後発性白内障は何度もなるのか?原因と仕組みを解説
「白内障の手術をしたのに、また視力が落ちてきた…」
そんな不安を抱えている方へ。
それは「後発性白内障」かもしれません。
白内障手術後に発症することがあるこの症状ですが、何度も繰り返すのでしょうか?
ここでは、後発性白内障の仕組みと原因、再発の可能性について解説します。
① 後発性白内障とは?白内障との違い
まず、「後発性白内障」とは何かを理解しておきましょう。
通常の白内障は、加齢などによって水晶体が濁ることで視力が低下する病気です。手術で濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを入れることで視力を回復させます。
しかし、白内障手術を受けた後に、また視力が低下することがあります。これが「後発性白内障」です。
白内障手術では水晶体を取り除きますが、水晶体の袋(後嚢)はそのまま残ります。この後嚢が時間とともに濁ってしまい、視力が低下するのが後発性白内障の特徴です。
つまり、白内障が「再発」するわけではなく、手術後の経過として起こる可能性があるということですね。
② どうして後発性白内障が起こるのか?
では、なぜ後発性白内障が起こるのでしょうか?
これは水晶体の細胞が残ることによる影響です。手術で水晶体を除去した後も、残った水晶体の細胞が増殖してしまい、後嚢の部分を濁らせてしまうことがあります。
特に若い人や糖尿病のある人は、細胞の増殖が活発なため、後発性白内障になりやすいと言われています。
また、術後の炎症や体質によっても後発性白内障が起こることがあります。予防するのは難しいですが、定期的な眼科検診で早めに対処することが重要です。
③ 一度治療してもまたなる可能性はあるのか?
結論からいうと、基本的には「一度治療すれば、再発することはほぼない」と言えます。
後発性白内障はYAGレーザーという治療で濁った部分を除去します。レーザーで後嚢に穴を開けることで、再び視界をクリアにすることができます。
そして、一度レーザーで破った部分は再生しないため、同じ場所で再び濁ることはありません。
ただし、極めて稀なケースとして、他の部分で新たに濁りが発生することもあります。そのため、視力に違和感を感じたら、すぐに眼科で診察を受けることが大切です。
④ 白内障が再発することはあるのか?
白内障そのものは、一度手術をすれば再発することはありません。
なぜなら、白内障の原因である水晶体を完全に取り除くため、再び濁ることはないからです。
ただし、「後発性白内障」や「他の眼疾患」によって視力が低下することはあります。例えば、緑内障や黄斑変性症などが進行すると、白内障手術後でも視力が悪化する可能性があります。
つまり、白内障は再発しませんが、他の目の病気には注意が必要ということですね。
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後発性白内障になりやすい人とは?
後発性白内障は誰でもなる可能性がありますが、特にリスクが高い人がいます。
ここでは、後発性白内障になりやすい人の特徴について解説していきます。
後発性白内障の治療法と再発リスク
後発性白内障は、視力の低下やかすみを引き起こす症状ですが、適切な治療を受ければ改善できます。
ただし、「治療後にまた濁ることはないのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
ここでは、後発性白内障の治療法と再発リスクについて詳しく解説します。
① YAGレーザー治療とは?どんな仕組み?
後発性白内障の治療には、主に「YAG(ヤグ)レーザー」という方法が用いられます。
このレーザーは、濁った後嚢(こうのう)に穴を開けることで、視界をクリアにするという仕組みです。
YAGレーザーは、痛みを感じることなく、短時間で施術が終わるのが特徴です。
また、メスを使わないため、感染症のリスクも非常に低く、安全性が高い治療法とされています。
② 治療の流れと所要時間はどれくらい?
YAGレーザー治療の流れは以下の通りです。
ステップ | 内容 |
---|---|
① 診察 | 視力低下の原因が後発性白内障かどうかを確認 |
② 瞳孔を広げる | 散瞳薬を点眼し、瞳を広げる |
③ YAGレーザー照射 | レーザーを使って後嚢の濁りを除去 |
④ 術後の経過観察 | 数時間、眼圧などをチェック |
⑤ 帰宅 | その日のうちに帰宅可能 |
治療自体は5~10分程度で終わります。
術後は一時的に目がぼやけることがありますが、翌日には視界がクリアになることがほとんどです。
③ レーザー治療後に後発白内障が再発することはある?
「せっかくレーザーで治療したのに、また後発性白内障になることはあるの?」と不安になる方もいるでしょう。
結論からいうと、「同じ場所に後発性白内障が再発することはほぼない」とされています。
なぜなら、YAGレーザーで開けた穴は再生しないからです。
ただし、極めて稀に、後嚢の別の部分が濁ることがあります。この場合、再度YAGレーザーを使用することで対応できます。
基本的には、レーザー治療を受ければ視界は長期間クリアな状態を保つことができます。
④ 他の目の病気との関連性は?
後発性白内障が改善した後でも、「視力が戻らない」「見え方がスッキリしない」と感じる場合があります。
このような場合、別の眼疾患が関係している可能性があります。
例えば、以下のような目の病気が影響することがあります。
- 緑内障(視神経のダメージにより視力が低下する)
- 加齢黄斑変性症(視界の中心がゆがんだり見えにくくなる)
- 糖尿病網膜症(糖尿病の影響で網膜がダメージを受ける)
白内障手術を受けた後も、定期的に眼科検診を受け、他の目の病気がないかチェックすることが大切です。
後発性白内障を防ぐための対策
後発性白内障は、白内障手術を受けたすべての人に起こるわけではありませんが、一定のリスクがあります。
しかし、日常生活の工夫や定期的な検診によって、発症を遅らせたり、重症化を防ぐことができます。
ここでは、後発性白内障を防ぐための具体的な対策を紹介します。
① 目に優しい生活習慣を心がける
目の健康を守るためには、日常生活の習慣を見直すことが重要です。
特に、以下のような習慣を心がけることで、後発性白内障の発症リスクを低くすることができます。
- 紫外線対策をする(UVカットのサングラスや帽子を使用)
- バランスの取れた食事をとる(ビタミンC・E、ルテインを含む食品を意識する)
- 禁煙する(喫煙は目に悪影響を与える)
- 適度な運動をする(血流を促進し、眼の健康を保つ)
- 適切な睡眠をとる(目の疲れを回復させる)
特に紫外線は、眼の老化を早める原因の一つです。屋外に出るときは、必ず紫外線対策を行いましょう。
② 定期的な眼科検診で早期発見する
後発性白内障は、初期段階では自覚症状が少ないことがあります。
そのため、定期的な眼科検診を受けることが重要です。
特に、以下のような症状が現れた場合は、すぐに眼科を受診しましょう。
- 視界がかすんで見える
- 明るい場所でまぶしさを強く感じる
- 物がぼやけて二重に見える
- メガネをかけても視力が改善しない
また、定期検診では眼圧や眼底の状態もチェックできるため、他の眼疾患の早期発見にもつながります。
③ 眼内レンズの選び方と予防効果
白内障手術の際に選択する眼内レンズの種類によっても、後発性白内障のリスクは変わると言われています。
一般的に、後発性白内障を起こしにくいレンズとして以下のものがあります。
レンズの種類 | 特徴 | 後発性白内障のリスク |
---|---|---|
アクリル製レンズ | 後発性白内障のリスクが低い | 低い |
シリコン製レンズ | やや後発性白内障が起こりやすい | 中程度 |
PMMA製レンズ | 従来型でややリスクが高い | 高い |
近年では、後発性白内障を予防するための特殊な加工が施されたレンズも開発されています。
手術前に医師と相談し、自分に合ったレンズを選びましょう。
④ 白内障手術後に気をつけるべきポイント
白内障手術後のケアも、後発性白内障のリスクを減らすために重要です。
以下のポイントを意識して、目を守りましょう。
- 術後は処方された点眼薬をしっかり使用する
- 目を強くこすらない
- 激しい運動や重いものを持つのは避ける
- 長時間のスマホやパソコン作業は控える
- 睡眠をしっかりとる
特に術後の1ヶ月間は、目に負担をかけないように過ごすことが大切です。
また、医師の指示に従い、定期的な診察を受けるようにしましょう。
まとめ|後発性白内障は何度もなるのか?
後発性白内障は、白内障手術後に発生することがありますが、一度YAGレーザー治療を受ければ、基本的に再発することはありません。
ただし、後発性白内障を防ぐためには、以下のポイントを意識することが重要です。
ポイント | 対策 |
---|---|
紫外線対策 | UVカットのサングラスを使用 |
生活習慣の見直し | バランスの取れた食事と適度な運動 |
定期検診 | 早期発見のために眼科を受診 |
適切な術後ケア | 点眼薬の使用と目をこすらない |
白内障手術を受けた後も、定期的な眼科検診を受け、目の健康を守ることが大切です。
気になる症状がある場合は、早めに眼科医に相談しましょう。