閉塞隅角緑内障とは?その症状と白内障の手術の関係を解説
2021.02.24
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閉塞隅角緑内障と呼ばれる緑内障をご存知でしょうか?
実は、白内障手術とも関係している緑内障として知られていて、正しい方法を知れば予防・改善することも期待できます。
ここでは、閉塞隅角緑内障の原因や予防方法、白内障手術との関係性について掲載しているので気になる方はチェックしてみてください。
閉塞隅角緑内障とは
閉塞隅角緑内障とは、眼球内の圧力が正常値よりも高い状態で引き起こる緑内障です。
緑内障には、何らかの要因を引き金とする続発緑内障と、明確な原因が存在しない原発緑内障の2種類に区分されています。
さらに原発緑内障だと開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の2つに別れていて、一般的に言われる緑内障とは開放隅角緑内障を指している場合が多いです。
主に、目の腫れや痛み、吐き気にはじまり、日本国内でも失明リスク第2位にもなるほど最悪の場合は失明を伴う眼病として知られています。
閉塞隅角緑内障と白内障手術との関係
後に後述していますが閉塞隅角緑内障は隅角が狭かったり閉じたりすることで、眼圧を正常に維持するのに必要な房水が逃げられなくなっている状態です。
なので、閉塞隅角緑内障を治療および予防するためには隅角を広げておくことが1つの改善策になりえますが、そこで関わってくるのが白内障手術です。
白内障手術では、手術時に眼内レンズを挿入しますがこれによって隅角が大きく開きます。
この眼内レンズは厚みが薄くできている分、眼に対して圧迫する力が少ないので眼圧が下がる傾向にあり、それとともに隅角も広がって緑内障発作の改善・予防が期待できます。
白内障と緑内障の手術の違い
白内障手術では、眼の中で混濁している水晶体を破砕・吸引して、新しく眼内レンズを挿入して視力低下などの症状改善を図る手術です。
一方、緑内障手術は急激に上昇した眼圧を点眼薬と内服薬で下降させて、それ以上は悪化させないようにすることを目的としています。
白内障なら手術が困難といったケースを除けば、基本的に手術をすることで視力回復を期待できるので手遅れになることは多くありません。
しかし、緑内障は症状の改善ではなく、あくまで症状が悪化しないための治療を施すものなので、緑内障によって失った視神経が回復することはなく、手遅れになれば失明リスクを伴うのが白内障との大きな違いです。
閉塞隅角緑内障の原因
人間の目は、房水の量が一定に保たれることによって、眼圧も一定の基準を保ち球状の形態を維持し続けています。
眼球内を正常に循環させるためには房水を毛様体と呼ばれる組織で生成して、シュレム管へと排出するという流れを作らなくてはなりません。
房水がシュレム管を通過する段階では隅角という部位を通り抜ける必要がありますが、その隅角が狭くなったり閉じてしまったりする場合があります。
それによって房水を流水する逃げ道がなくなり閉塞隅角緑内障が発生します。
閉塞隅角緑内障の予防法
緑内障は、遺伝・加齢・喫煙・自律神経失調症・糖尿病などの要因が絡み合うことで発症する可能性がある眼病です。
そのため禁煙を心がけたり、ストレスを溜めなようにしたりといった、日々の生活習慣に配慮して見直していく必要があります。
仕事をされている方であればネクタイを強く締めて首を圧迫したり、心因性の病気で悩まれている方は抗うつ剤を摂取しすぎることでも眼圧を高めるリスクを伴います。
上記は、あくまで一例に過ぎませんが生活の仕方を改善しつつ、定期的な眼底検査を受診することで緑内障の早期的な発見および予防へと繋がります。
まとめ
■閉塞隅角緑内障は隅角が狭い状態を指す緑内障
■白内障手術によって隅角を広げて改善を期待できる
■緑内障は遺伝に加えて日々の生活習慣が関わっている
■日々の生活習慣を改善することで緑内障の発作や予防を期待できる
いかがでしたか? 今回は、閉塞隅角緑内障について紹介してきました。
閉塞隅角緑内障を白内障手術で改善できるのは意外な関係性かもしれません。
白内障手術も有効な手段ではありますが一番は日々の生活習慣を見直すことから始めて、定期的な検診を受けることも考えてみてください。