急性緑内障について解説

2020.12.03

緑内障の断面図

みなさんは、急性緑内障って眼病をご存知でしょうか?

普通の緑内障と何が違うのと疑問符が浮かぶ方もいるのではないでしょうか。

基本的には緑内障も急性緑内障も同じ病気として考えてもらえばいいです。

一方で決定的に違う部分もあるのでここではそんな急性緑内障について解説していきます。

急性緑内障とは

疲れ目の男性
緑内障は、基本的に自覚症状なしに段階的に進行していくのが特徴です。

しかし、緑内障の中でも急性緑内障の場合はある日突然になって症状が発症します。

急激に症状があらわれるだけでなく、そのまま失明に至ってしまう可能性も少なからずあります。

急性緑内障になる原因

人間の目は「房水」と呼ばれる目の中を循環する液体が一定の圧力(眼圧)で眼内を支えることによって眼球の形状を維持しています。

つまりは、この眼圧が異常な上昇を起こすと視神経に障害を起こして緑内障へのリスクを高めるわけです。

房水を循環させるためには隅角という出口が一定の広さを保っていなければ、房水の液体を流すことができません。

分かりやすく言うと空気が逃げる隙間がなく風船が際限なく空気を流し込まれている状態ですね。

この風船も空気を流し続ければ中の空気量が増えていって、いつかは暴発しますよね。

それと同じでこの房水と呼ばれる液体が出口なしに密閉された隅角の中で溜まり続けると、いわゆる眼圧が上昇する状態になりキャパシティーをオーバーします。

出口がないだけに際限なく眼圧は上昇していきますから、この基準値がある一定を超えた状態が急性緑内障と呼ばれています。

急性緑内障の種類

緑内障と一言に言ってもいくつかの種類に分けられています。

1つは外的要因によって眼圧が上がって発症する「続発緑内障」、もう1つは具体的な原因がない「原発緑内障」です。

原発緑内障はさらに、目の中の水の出口である隅角が狭い「閉塞隅角緑内障」と、反対に隅角が広い「開放隅角緑内障」の2種類があります。

これら以外にも、子供の頃から眼圧が上がる「発達緑内障」という小児の緑内障も存在します。

急性緑内障の前兆

急性緑内障を未然に防止するためにその前兆サインが分かれば早期発見や早期治療を施すことができます。

しかし、残念ですが急性緑内障は初期段階の症状、異変と呼べる前兆サインが自覚しにくい眼病です。

目に明らかな異常を覚えて診断してみたら、既に緑内障だったというケースは少なくないでしょう。

なので元々目に何らかの症状がある方は定期的な診断、そうでない場合にはなにか1つでも目に異変を感じた時点で診断を希望するしかないですね。

急性緑内障の自覚症状

緑内障には、慢性緑内障と急性緑内障がありますが前者の場合は症状がかなり進行しないと自覚症状を得ることはありません。

一方で後者である急性緑内障の場合だと、コントロールができないほどに急激に眼圧が上昇してさまざまな自覚症状があらわれます。

主には、頭痛・吐き気・眼痛・充血などが繰り返しあらわれます。

急性緑内障の治療法

まず前提として緑内障を治療することは完治するのが目的ではなく、病気の進行を防いで遅らせることが目的です。

一度損なわれた視神経は回復できないことから、視神経の損害が少ない段階から病気を発見して、失明に至らないようにする必要があります。

治療方法としては薬物療法・レーザー治療・手術の3種類が存在します。

基本的には、薬物療法によって経過観察をおこないつつ眼圧をコントロールしていきます。

それでも眼圧が一定値まで下がらないようであればレーザー治療・手術にて眼圧をコントロールできる状態にします。

病気を完治するのではなく、遅らせるためにはこの眼圧のコントロールが不可欠なので専門医と相談した上で検査・治療は怠らないようにしましょう。

まとめ

■急性緑内障はある日急に症状があらわれる眼病
■眼圧が基準値を遥かに超えて急上昇すると急性緑内障という扱いになる
■急性緑内障の前兆となるサインは基本的には自覚できない
■症状には頭痛・吐き気・眼痛・充血などがある
■緑内障は完治するのではなく、進行を遅らせることが目的

いかがでしたか? 今回は、急性緑内障について紹介してきました。

前兆サインがないだけに対策を講じにくいですが、少しでも異変を感じたら速やかに眼科医院で検査を受けてください。

完治は難しい病気ですが早期発見・早期治療を施すことで結果は全然異なってきます。