白内障は年齢に関係がある?早めの対策を立てるために知りたいこと
2018.11.16
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視界が白く濁ってしまったり視力が低下する白内障は目の病気の中でも特に有名なものです。
現在は手術によって治すことが出来ますが、白内障の発症は年齢と深いかかわりがあるのでしょうか?
また、白内障はどういった割合で発症しているのか気になりますよね。
そこで今回の記事では白内障と年齢の関係性についてご紹介します。
白内障ってどんな病気?
目の病気の一つである白内障とは一体どのような病気なのでしょう?
私たちの目は入ってくる光が角膜、瞳孔、光彩、水晶体、硝子体、網膜、視神経の順番で通過し、初めて見えるようになります。
白内障はそのうちの水晶体と呼ばれるカメラのレンズのような役割をしている組織が白っぽく濁ってしまう病気です。
水晶体が白く濁ることで光が上手く屈折しないため見えにくい状態になったり、かすみや白濁といった症状が現れます。
眼鏡やコンタクトレンズの度数を上げてもスッキリと見えないため、眼鏡やコンタクトレンズを作ったのに目に合わないとの理由で眼科を受診する人が白内障だと診断されるケースが多くなっています。
加齢が原因の白内障は年齢を重ねると共に発症リスクが上がると言われていて、50代では約50%の人が白内障になってしまいます。
さらに高齢者を見ていくと、70代で約90%、80代になるとなんと95%以上もの人が白内障を発症しています。
親戚が白内障になったという話を一度は聞いたことがあるかと思いますが、これほど身近な病気だという事はあまり知らないことですよね。
このように年齢と深い関わりがある白内障ですが、実は年齢だけが発症の原因ではありません。
白内障の原因とは?
白内障を発症する人の多くは年齢が50歳以上の高齢者だとご紹介しましたが、実は10代・20代の若者も発症することがあります。
こういった若年層が発症する白内障を若年性白内障と呼び、高齢者が発症する老人性白内障とは区別をしています。
最も多い白内障の原因はもちろん加齢によるものですが、加齢によって発症する白内障は50代以降の人に多くなっています。
しかし30代や40代の方でもとある条件が揃うことで白内障のリスクが高まってしまいます。
高齢者に多いイメージのある白内障ですが、年齢に関係なく発症することがあるのです。
年齢に関係なく白内障を発症しますが、実はそこには必ずは白内障を発症する原因が隠されています。
どういった原因で年齢に関係なく白内障を発症するのか見ていきましょう。
糖尿病によるもの
加齢性白内障に次いで多いのが糖尿病が原因のものです。
高血糖値状態が長く続くことで発症すると言われていますが、詳しいメカニズムは解明されていません。
糖尿病患者さんに白内障が多いのは事実で、糖尿病の三大合併症の一つである「網膜症」の予防の妨げになります。
白内障になると眼底検査が上手く行えず、網膜剥離を早い段階で把握することが難しくなります。
糖尿病は30代から40代の人に多く、糖尿病による白内障もそれらの年齢の方に多くなっています。
もし糖尿病を発症している方は白内障を始めとした目の病気にご注意ください。
外傷によるもの
スポーツを盛んに行う年齢層に多いのが外傷による白内障です。
目の水晶体にダメージを受けることで白濁が進んでしまい、白内障となるケースがあります。
目を強くぶつけてしまうことがあるスポーツでは特に注意が必要で、事故を防ぐことが一番の予防になります。
万が一目に衝撃が加わったらすぐにアイシングを行ってください。
病気によるもの
糖尿病も病気の一つですが、それ以外の病気にも注意が必要です。
ぶどう膜炎と呼ばれる目の病気やアトピー性皮膚炎といった全身疾患は白内障を発症する大きな要因となります。
眼球で炎症が起こるぶどう膜炎の合併症は白内障以外にも緑内障、硝子体混濁、網膜前膜症、嚢胞様黄斑浮腫等があります。
目の病気の中では様々な合併症があることで有名で、アトピー性皮膚炎の合併症として白内障があることも同様に有名です。
顔面のアトピーが酷い程発症確率が上がることは報告されていますが、なぜアトピー白内障を発症するのか詳しいメカニズムは解明されていません。
どちらも進行速度が早く、早期に治療を行う必要があります。
遺伝性疾患によるもの
年齢に関係なく発症する白内障の中でも特に厄介なのが遺伝異常が原因で起こる白内障です。
遺伝異常によって起こる白内障は先天性白内障と言われていて、生まれてきた段階で既に水晶体が白く濁っています。
外からの光が網膜に到達しないため視力の発達が妨げられます。
すぐに手術をすれば弱視になるのを予防できますのでご安心ください。
白内障の進行速度
年齢を重ねることで発症する白内障は早いペースで進行する病気ではありません。
長い時間をかけてゆっくり進行するもので、初期の段階では自覚症状が全く無いこともあります。
自覚症状が出てくるまで進行していると発症からかなりの時間が経過していたなんてことも。
年齢を重ねると発症する加齢性白内障の進行速度はどの程度のものなのか簡単にご説明します。
初期
初期段階で白内障を自覚する人は殆どいません。
日常生活に支障をきたすことはなく、見え方にもそれほど大きな変化はありません。
徐々に進行していくので若干の目のかすみに自分の感覚が適応してしまうのです。
また、自覚症状がないため眼科での検査も行う機会は少ないですが健康診断や眼科で眼鏡を作る際に発覚することがあります。
初期段階であれば点眼薬によって白内障の進行を遅らせることが可能ですが、完治には至らないのでご注意ください。
もしある程度進行してから手術を希望しているようでしたら、目薬による治療は行わないこともあります。
中期
中期まで症状が進行すると様々な症状が出てきます。
光を強く感じたり逆光で見えにくくなる、すれ違う人の顔が鮮明に見えない等の症状を訴える人が多くなります。
その人の見え方によって若干の違いはありますが、以前よりも確実に見えなくなっていることは確実です。
中期まで進行しても視力に変化のない方もいて、裸眼で1.0程度の方もいらっしゃいます。
しかし生活に困らない範囲であっても運転免許更新のボーダーラインとなる0.7以下になると手術という選択肢もあります。
この中期程度までの進行であれば手術も問題なく行えるため、一般的にこの段階で手術を受ける人が多いです。
後期
後期の幅は少し広く、日常生活に支障が出てくるまでに視力が落ちてくる人が後期の始まりです。
日常生活に支障を来すと手術を進められるため多くの人がこの段階で手術を受けますが、手術を拒否される方もいます。
しかし眼鏡やコンタクトレンズを作ったとしても白っぽく霞んでしまったり、光の強弱に敏感になるなど見え方で問題が出てきます。
さらに白内障が進行してしまうと手術自体が難しくなってしまうため、医師に勧められた段階で湯術を受けるのが良いでしょう。
白内障手術のリスク
白内障手術は長い歴史があり、現在に至るまで様々な医療機器が開発されたり症例件数が多いことで安全性が高い手術となっています。
目に3mm程度の切れ込みを入れてそこから超音波によって水晶体を砕きつつ吸引し、空いたスペースに眼内レンズを挿入します。
しかし症状が進行しすぎてしまうと手術を行うのが難しくなってしまいます。
目の中に眼内レンズと呼ばれるコンタクトレンズのようなものを挿入しますが、それをうまく支えられなかったりするのです。
これは縫い付ける方法で解決しますが、通常の手術よりも時間がかかってしまうことが難点です。
早い段階で手術を受ければ日帰りも可能ですが、より速い回復を目指すのであれば早い段階で手術を受けることが効果的です。
自分の目に関して質問や相談がある方は眼科を受診してください。
見え方が変わる
手術後は今までとは違う見え方になります。
保険適用の単焦点レンズであれば近視か遠視、老眼になります。
一応乱視を矯正してくれるタイプもありますので元々乱視が入っている方は乱視矯正タイプを希望しましょう。
最近になって登場した保険適用外の多焦点レンズであれば様々な場所に焦点が合うため見え方の変化も少なく済みます。
しかし保険適用外なので全額自己負担となって高額になってしまいます。
白内障と年齢まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では白内障と年齢の関係性についてご紹介しました。
白内障は先天性のものから20代で発症したり高齢になるほど割合が増えるなど様々な原因で誰にでも発症するものです。
失明に至ることはありませんが、早めに手術を行えば早めに改善します。
予防や早期発見のために定期的に眼科で検診を受けることが大切です。