白内障手術後は目薬が必要?知っておきたい術後のケアをご紹介!

2018.11.18

目薬をさす人

日常生活に支障をきたす白内障は高齢者に多い病気で、80代になると90%以上の人が発症するといわれています。

手術方法は確立されていて手術が成功すれば確実に目が見えるようになります。

手術については数多くの情報がありますが、白内障手術後の目薬によるケアについては知らないことが多いのです。

そこで今回の記事では白内障手術後の目薬を使ったケアについてご紹介します。

白内障手術後の対応とは?

検査を行って白内障と診断された後に行われる白内障の手術では眼球を3mm程度切開して単焦点・多焦点眼内レンズを目の中に入れます。

そのため術後は感染予防の必要があって必ず点眼薬(目薬)を処方されますので基本的に医師から処方された薬を指示通りに使えば問題はありません。

特に重要なのが日帰り手術を希望されている患者さんです。

白内障手術は日帰りで受けられますが、自分で管理しなければならないため注意が必要になります。

手術後は一番細菌感染しやすくなっているため必ず医師に指示された通りに目薬を使用してください。

主な術後のケアは目薬のみですが、場合によっては内服薬を処方されるケースもあります。

場合によってはMRフタワソニックも有効です。

手術後に処方される目薬の種類

手術後に処方される目薬ですが、いくつか種類があります。

大きく分けると抗生物質と炎症を取る目薬の2種類にわけることが出来ます。

詳しい薬の内容に関してはそれぞれの眼科で取り扱いが若干異なるため詳細は担当医か薬剤師に質問してください。

多くて3種類の目薬を処方されますが、それらは抗生物質と炎症を防ぐための目薬であると認識しておけば問題ありません。

白内障の手術後はとてもデリケートな状態になるため、細菌が付着して炎症が起こらないように細心の注意を払う必要があるのです。

それぞれの目薬がどういった働きをするのかご説明します。

抗生物質

抗生物質は細菌から目を守るためにつかわれています。

抗菌点眼薬とも呼ばれていて、先発品で大体16種類、ジェネリックになると約60種類が販売されています。

現在は抗生物質を使いすぎることで抗生物質に耐性のある耐性菌が誕生することで使用を控えるように厚生労働省から案内が出ています。

適切な薬剤を必要な場合に限り適切な量と期間使用することは可能なので、白内障の手術後に使われる目薬として問題はありません。

しかし風邪を引いても抗生物質は処方されないので、抗生物質が手軽に処方されるものだという認識はしないようにしましょう。

結構数のある薬剤ですが、最近主流となっている抗生物質の目薬は「クラビット点眼薬」と呼ばれるものです。

もしかしたら同じものが処方されている方も多いのではないでしょうか。

抗炎症薬

抗炎症薬はその名前の通り炎症を抑えてくれる薬です。

炎症の原因物質であるプロスタグランジンの生成抑制作用があり、手術後の炎症や合併症を防止・予防するために使われています。

白内障の手術後は傷口で炎症が起こらないように処方されています。

また、白内障の手術後は出血、網膜剥離、角膜混濁、緑内障等の合併症が起こりやすいので抗炎症薬による合併症予防はとても重要です。

自分で治ったと判断して目薬を差すことを辞めてしまう人がいますが、そういった場合に炎症や合併症のリスクが高まってしまいます。

必ず薬を処方してくれた医師の指示があるまで使用をやめないようにしてください。

手術後の目薬の使用期間

カレンダー
手術後に使用する目薬ですが、一体どれくらいの期間使用するのでしょう?

一般的に手術後の点眼薬は2か月を一つの目途としています。

比較的年齢が若く傷の治りが早い方は1ヶ月程度で終わることもありますが、だいたいは2か月で終わりとなります。

但し傷の治りが遅く抵抗力が弱まっている高齢者の場合には3ヶ月程度使用することもあります。

はっきり言ってしまえばその人の年齢や体調、持病の有無、処方されている薬の種類などによって事細かに変わりますので一概には2~3ヶ月としか言えません。

めんどくさくなってしまっても白内障の合併症には失明に至るものもあるので、必ず用法用量を守って使用してください。

レンズを入れた後の見え方はだいたい1ヶ月程度で馴染んできて、メガネやコンタクトレンズを作ることが出来ますが目薬の処方が終わるのはそれよりも先です。

最初の1ヶ月は保護メガネをかけて頂きます。

目薬は白内障手術後だけじゃない?

白内障の手術後に目薬が処方されることはわかりましたが、実は手術前にも目薬を使用しなければならないのです。

手術の1週間前に術後感染予防のために術後と同様に2種類の点眼薬と目に塗るタイプの眼軟膏1種類が処方されます。

点眼薬を使う回数は朝・昼・夜・寝る前の一日4回、目軟膏は寝る前に1回だけ塗ります。

手術前に目を清潔な状態に保っておくことだけでなく、炎症が起こりにくい状態を作ることで術後の回復がよりスムーズになるのです。

面倒なことが多いですが、点眼薬は手術前からしっかりと差すようにしましょう。

手術後は洗髪・洗顔共に制限されるため手術当日はしっかりと洗髪・洗顔を行うことをおすすめします。

白内障手術後の目薬に関する質問

多くの人が必ずと言って良いほど経験する白内障ですが、当然たくさんの疑問がありますよね。

目薬に関しても当然多数の疑問があって、病院ごとにガイドラインを設けているケースもあります。

点眼薬に関する質問の中でも特に多いものをご紹介します。

点眼薬に順番はあるの?

基本的に点眼薬を使用するのに順番は関係ありません。

しかし時間をあけずに使用しても効果が薄くなってしまうため、点眼薬を1回使用するごとに2~3分ほど時間を開けてください。

多くのクリニックでは3種類の点眼薬を処方しているので、全ての点眼薬を使用するのに6~8分の余裕を持つようにすれば問題ありません。

もし医師に使用する順番を指定されているようでしたらその通りに使用してください。

市販の目薬は使っても大丈夫?

基本的に処方された目薬のみを使用していただきます。

市販されている目薬には治療効果はなく、眼精疲労を軽減させる程度のものなので手術後の回復には向いていません。

併用して使うのは厳禁なの市販の目薬をでどうしても使いたいという方は医師にご相談ください。

勝手に自分の判断で使用することはとても危険なので控えた方が良いでしょう。

目薬はいつまで使うの?

見た目が治ったように感じても術後の合併症や炎症のリスクがあります。

何かの拍子に指先で目を擦ってそこから細菌が入り込むことも考えられます。

完全に医師が目薬は必要ないと判断されるまで使い続けてください。

先ほどもご紹介したように、手術後の炎症を鎮めたり細菌から眼球を守るために使用するものです。

途中で処方をやめてしまうと眼球を守れなくなってしまい、病気になってしまいます。

白内障手術後の目薬まとめ

いかがでしたか?

今回の記事では白内障手術後の目薬を使ったケアについてご紹介しました。

次第に視力が低下してくる白内障は術後に合併症や炎症などの症状がおこらないように手術の1週間前から点眼薬を使用します。

医師に指定された通りの順番と用法用量を守って正しく行うことで術後にトラブルが起こるリスクが軽減します。

術後は運動やパソコン、運転等の眼を使うことは避けて回復に専念しましょう。

また、何か異常を感じたり違和感のある方は病院に連絡したり受診するようにしてください。