白内障を薬物療法で治すことはできる?
2021.09.15
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白内障は薬物療法で治すことができるのでしょうか。
白内障は、水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下する病気です。
年齢を重ねると共に多くの方が発症する病気でもあるため、できることなら手術をせずに治療をしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、白内障を薬物療法で治すことはできるのかについて詳しく解説します。
白内障を薬物療法で治すことはできる?
現代医学は非常に進み、さまざまな病気が手術をしなくても薬物療法で治すことができます。
しかし、白内障を治す薬物は残念ながらありません。
白内障の予防効果がある薬として、現在日本では以下の点眼薬が認可されており、病院で処方することができます。
- ピレノキシン
- グルタチオン
- チオプロニン
- 唾液腺ホルモン
実際には、現在ほとんどの眼科においては、ピレノキシンまたはグルタチオン点眼液のみ処方されています。
白内障の治療方法
白内障の治療は、超音波乳化吸引術といった外科的手術が行われます。
車の運転が困難となり、日常生活が困難になるぐらいの視力低下や羞明感が強い場合においては、手術加療を選択することが多く、日本では年間に約150万件程度、白内障の手術が行われています。
濁った水晶体を超音波によって細かく破砕し吸い出す手術で、その後、人口のレンズ(眼内レンズ)を挿入する手術方法が一般的です。
眼内レンズには、現在では単焦点レンズ、多焦点レンズ、乱視矯正レンズなどがあり、白内障の症状や状態、患者の希望などにより適したレンズが選択されます。
白内障の点眼治療
白内障で低下した視力を元に戻す薬は現在ありませんが、予防効果を持っている薬があり、厚生労働省に認可された医師による処方が受けられる薬があります。
主に使われているのは、ピレノキシンまたはグルタチオンという点眼薬で、点眼開始時期、投与開始年齢など、効果が期待できる条件がありますので、必ず医師の処方を受けて、指示に従って点眼してください。
点眼液とその期待できる効果は、混濁面積20%以下という初期の皮質白内障を持つ59歳以下の群に対しピレノキシン点眼治療を行った場合、投与後18ヶ月目に白内障進行の抑制効果がみられたという結果があります。
ただし、核白内障、後嚢下白内障、混濁面積が20%よりも大きい皮質白内障、60歳以上の白内障群では進行抑制効果が確認できなかったという研究結果もあります。
そのため、年齢や白内障の進行程度によっては抑制効果が得られない場合もあります。
白内障の手術の方法
白内障の手術は、超音波で水晶体を取り除く方法で、ほとんどの白内障手術では、この方法が採用されています。
はじめに、手術中に痛みが感じないように点眼麻酔をします。その後、水晶体を包む袋(水晶体嚢)の前面に丸く切れ目を入れ、水晶体嚢の切れ目から器具を入れ、超音波で水晶体を砕きながら吸引して取り除きます。最後に、空になった水晶体嚢の中に眼内レンズを入れ、固定し手術が完了です。
これだけを見ると恐ろしく感じる方もいるかもしれませんが、局部麻酔を使うので、痛みの心配はありません。
白内障は安心して受けることができる手術です。
まとめ
この記事では、白内障を薬物療法で治すことはできるのかについて詳しく紹介してきました。
この記事をまとめると、
- 白内障を薬物療法で治すことはできない
- 白内障の予防効果がある点眼薬はある
- 白内障を完治させるには手術が必要
以上となります。
白内障は、水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下する病気です。
そのため、早期発見、早期治療がとても重要なので、少しでも違和感があるようなら、眼科を受診し検査するようにしてください。