網膜色素変性症での失明のリスクはどれくらいなのかについて解説

2022.02.23

網膜色素変性症での失明のリスクはどれくらいなのかについて解説

失明のリスクのある網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう)という病気はご存知でしょうか?

白内障は加齢に伴い水晶体の内部が酸化・糖化することなどが原因で発症する病気ですが、網膜色素変性症は目の網膜に異常が生じることにより引き起こされる病気です。

この記事では、網膜色素変性症での失明のリスクはどれくらいなのかについて詳しく解説します。

網膜色素変性症とは

網膜色素変性症は、遺伝子に生まれつきの異常があり、夜や暗い場所で見えなくなる(夜盲)、視野が狭くなる、などの症状が現れる病気です。

網膜色素変性症の症状が進行すると、視力が低下し、全く見えなくなってしまうという国が定めている指定難病です。

ほとんどの人で両眼性に病気が起こり、個人差はありますが進行スピードが比較的早く、早い人では40歳代で社会的失明に至るケースがあります。

網膜色素変性症の症状や原因については、「網膜色素変性症とは?その症状や原因、予防法を解説」の記事に詳しくまとめているので合わせて確認してみて下さい。

網膜色素変性症の失明リスク

網膜色素変性症には失明のリスクが伴います。

病状は数十年かけてゆっくりと進行していく例が多く、個人差がある病気です。そのため、発症して高齢になっても高い視力を維持できている方も少なくありません。

ですが、網膜色素変性症は光を全く視認できなくなり、視野がゼロになってしまう医学的失明の危険性も伴います。

視野が狭まる症状がどんどん進行してしまい早い方で40代、他にも50歳~60歳までに失明に至るケースも報告されています。

網膜色素変性症で医学的失明に至る事例は、250人に1人程度とされてはいますが、決して少ない数字ではないので注意が必要です。

日常生活に支障をきたすレベルの視力0.1以下の社会的失明に至るケースはより多く報告されているため、早期に治療を行うことがとても大切です。

網膜色素変性症の鍼治療では早期に治療を加えれば、失明のリスクどころか進行を抑制させることができるので、非常に有効な治療とされています。

網膜色素変性症の予防法

網膜色素変性症の進行を抑えるには、日頃から目に対してのケアをすることがとても大切です。

直射日光は網膜に負担をもたらすので、目に紫外線が入らないように屋外ではサングラスなどをかけて予防するようにして下さい。

この病気には現在のところ、網膜の機能をもとの状態に戻したり、確実に進行を止めるような確立された治療法はありません。

対症法として、遮光眼鏡の使用やヘレニエン製剤と呼ばれるβカロテンの一種の成分が含まれる内服薬、ビタミンA内服、循環改善薬による治療、低視力者用に開発された各種補助器具の使用などを行います。

ビタミンAはアメリカでの研究で網膜色素変性症の進行を遅らせる働きがあることが報告されているので、摂取しないよりは摂取した方が良いのですが、すべての患者さんにはあてはまらない可能性もあるようです。

将来期待される治療法として、遺伝子治療、網膜移植、 人工網膜 さらに代替レチノイドなどの研究が行われていますが、これらの治療法はまだ実際に誰に対しても行える治療法とはなっていません。

そのため、できる予防法を行う以外方法はありません。

まとめ

今回は、網膜色素変性症での失明のリスクはどれくらいなのかについて詳しく解説しました。

この記事をまとめると、

  • 網膜色素変性症は失明のリスクがある
  • 夜盲や視野が狭くなるなどの症状が現れる病気
  • 稀ではあるが医学的失明の危険性も伴う
  • 直射日光は避け、日頃から予防をする

以上となります。

網膜色素変性症は、白内障などのほかの眼の病気も合併していることもあります。

そのため、夜や暗い場所で見えなくなる、視野が狭くなるの症状が見られるような場合は、できるだけ早めに眼科を受診して検査するようにしてください。