白内障手術で使われる眼内レンズについてわかりやすく解説!

2018.11.03

目の図

白内障は加齢性のものであったり、ステロイドや紫外線、放射線など様々な要因で発病する目の病気です。

手術では眼球内にレンズを挿入しますが、その眼内レンズにも種類があるってご存じでしたか?

今回は白内障手術で使われる眼内レンズについてご紹介します。

白内障手術について

角膜から入ってきた光が水晶体に当たって屈折し、視神経に当たることで物は見えています。

白内障は目の中にある水晶体と呼ばれる部分が白く濁ってしまう病気で、視界が白っぽくぼやけてしまったり視力が低下します。

症状が進行してしまった人の場合は日常生活にも支障をきたす恐れがあり、すぐにでも改善した方が良いケースがあります。

病院の診察を受け検査を行って白内障だと診断された場合は、治療のために手術となります。

白内障の手術では網膜の下あたりにに3mm程の切れ込みを入れ、そこから特殊な超音波を使って水晶体を砕きつつ吸引します。

この手術方法は「超音波乳化吸引術」と呼ばれ、長年の実績がある安全性の高い手術方法となっています。

そして水晶体の代わりとなる「眼内レンズ」と呼ばれるものを挿入します。

眼内レンズはカメラのレンズのような役割をしてくれるもので、ピントの調整をするのに欠かせないものです。

手術の時間は様々な作業も含めて20分前後で終わるので患者さんの負担になりにくいです。

しかし重要となるのが眼内レンズのタイプです。

2018年現在では3種類の眼内レンズが開発されていて、それぞれメリット・デメリットがあります。
MRフタワソニックをお試しいただくことによってメリットが増えるかもしれません。

眼内レンズの重要性

眼内レンズはとても重要なもので、眼内レンズ無しには手術を行うことは出来ません。

また、人それぞれの眼に合わせて調整して作るためオーダーメイドとなります。

そのため高額なのですが、単焦点レンズと呼ばれるレンズは保険が適用されるので1~3割負担で手術が受けられます。

しかし一つの焦点ではなく多数の場所に焦点が合う多焦点レンズは保険適用外となるためとても高額になってしまいます。

それぞれの特徴をしっかりと把握した上で眼内レンズを選ぶことが重要です。

眼内レンズの種類とは?

私たちの目は年齢を重ねると共に様々なトラブルが出てきますが、近視や遠視であったり、乱視・老眼など目のトラブルは様々です。

眼内レンズにはそれらのトラブルも白内障手術と同時に解消できるのも大きなメリットです。

保険が適用される単焦点レンズはあくまでも白内障の治療を目的としているものなので、近視・遠視・乱視・老眼は改善することが出来ません。

もし保険適用外で高額になっても高性能なレンズを使用したいと思うのであれば、自分の目が抱えているトラブルから考えていきましょう。

レンズの耐用年数

眼球内にレンズを入れても気軽に交換が出来ないとなると不安が残りますよね。

眼球レンズの耐用年数は人間の寿命よりも長いと言われていて、自分が生きている間にレンズが壊れてしまうという可能性は限りなく0に近いです。

現在はアクリル製・シリコン製のレンズが主流となっていて、正式に認可されたものであればしっかりと耐久テストをパスしたものが使われています。

眼内に入れても視力に影響するな劣化は起こらないので、眼の中にレンズがあるからと不安に思う事はありません。

しかし自費診療で受けた手術によって使用した眼内レンズの場合は国内で認可されていないレンズの可能性もあるため、レンズの耐久性・安全性については担当医師から詳しい説明を受けてください。

眼内レンズはずれる?

眼内レンズを入れる・入れた方から良くある質問が眼内レンズはずれないのかというものです。

確かに目の中にレンズを入れるという事はズレが生じる可能性があると思うのは当然ですよね。

しかし眼内レンズは水晶体嚢やチン小帯に引っ掛けるためズレが生じることはまずありません。

水晶体嚢やチン小帯が弱い場合には眼内レンズを入れられない可能性もあります。

一度眼内に入ったレンズがずれるという事はありませんので、既に手術を終えている方はご安心ください。

眼内レンズの選び方

眼内レンズの選び方ですが、まずは費用面から選びましょう。

費用は保険が適用されるのか、されないのかで大きく変わるため、費用を安く抑えたい方は保険適用される単焦点レンズがおすすめです。

また、高い費用を払って高性能なレンズを手に入れたい方は多焦点レンズが良いでしょう。

しかしそれぞれのメリット・デメリットをしっかりと把握した上で選択することが大切です。

単焦点レンズ・多焦点レンズにはどのような特徴があるのか詳しくご説明します。

単焦点レンズの特徴

目
単焦点レンズはその名前の通りピントが合う距離が一つのレンズです。

厚生労働省で承認されたもので、健康保険の対象となっていて殆どの病院で受付を行っているものです。

見える範囲は狭いですが、ピントが合っている場所はとてもくっきりと見えます。

手元などの近くを見ているときには遠くに見える施設がぼやけたり、中間を見ているときは近くも遠方もぼやける見え方となります。

昼間だけでなく夜間でも自然な見え方の違いに戸惑う方も多い為車の運転は慣れるまで控えた方が良いでしょう。

乱視の影響が強い為乱視の方は見える質が落ちてしまってすっきりと見ることが出来ません。

完全な老眼状態になってしまうこともあるため、手術後は老眼鏡などの眼鏡が必要になってしまいます。

通常は手術から1ヶ月を目安に自分の今の視力に合わせて矯正された度数の眼鏡を作ります。

単焦点レンズの費用

単焦点レンズは保険が適用されるため、片目1万5千円~3万円程度の少ない自費負担で済みます。

もちろん最低限見えるようにする手術となるのでそれほどくっきりと見えたり、近眼や老眼などが改善するわけではありません。

また、クリニックによって多少金額の前後がありますのでご注意ください。

保険診療の範囲等に関してもその病院ごとに違いますのでご利用の病院で詳細な金額を聞いてみてください。

多焦点レンズの特徴

多焦点レンズはその名前の通り複数の場所に焦点を合わせられるように設計されたもので、人工レンズの中でもトップクラスの性能を誇ります。

白内障手術によって失われてしまう調整機能の一部を回復させる可能性があるもので、挿入後のメガネの必要性を軽減させます。

術後に眼鏡が不要になることもありますが、多焦点レンズを挿入した人全員にその効果が保証されるわけではありません。

単焦点レンズと比較するとコントラスト感度が低下してしまい、見え方の質が悪い、光を感じにくくなるという難点も抱えています。

それでも多焦点レンズは単焦点レンズよりも見え方に大きな違いがあるため人気があります。

新聞の文字が見やすくなったり、レーシック手術をしたように遠くがくっきり見えるなど以前よりも少しの差でも単焦点レンズとは大きな違いがあ胃rます。

生命保険の先進医療特約に加入している患者さんは適応される可能性があるため保険の案内を読んだり、スタッフに相談してみてください。

多焦点レンズの費用

多焦点レンズは保険適用外となるため非常に高額です。

安いクリニックでも30万円から、高い眼科だと40万円を超えるものもあります。

もちろん多焦点レンズの費用だけでなく手術費や処方箋代などを含めた金額となっていますが、それでも高いのは事実です。

また、片目で30万~40万以上しますので両目に多焦点レンズを入れるとなるとその2倍の金額がかかってしまいます。

レンズの費用はとても高額ですが、それに見合うだけの性能はあるので良く検討した上で決めるようにしましょう。

自分の希望に適したレンズが見つかることは少なくありませんが、費用の高さから断念してしまう人も多いです。

白内障手術時の注意点

手術風景
白内障手術時に注意しなければならないことがあります。

眼内レンズはとてもデリケートなものなので、何かしらのトラブルが予想されます。

どういったトラブルがあるのか見てみましょう。

眼内レンズを入れない

眼内レンズを固定する袋が弱かったり水晶体の組織が弱い場合は眼内レンズを入れないことがあります。

こうした場合には後日眼内レンズを縫い付ける方法を取ります。

そのため手術をもう一度行う事になりますので少し時間が取られてしまいます。

眼内レンズの交換

術後から何年か経過した後にもう一度眼内レンズを交換したいという方がいらっしゃいますが、非常にハイリスクな手術です。

これは一度手術をした方が対象となりますが、白内障手術を行う方には当然ついてくるリスクです。

乱視度数や乱視軸を計算して眼内に入れますが、乱視軸がずれたり本来の視軸から外れてしまった場合はメガネでの視力矯正も難しくなります。

眼自体が経年劣化しますのでレンズが劣化しなくても見え方が変わってくるのはご注意ください。

白内障の眼内レンズまとめ

いかがでしたか?

今回のページでは白内障手術で使われる眼内レンズについてご紹介しました。

眼内レンズの寿命は長く半永久的に使えるものですが、乱視や近視など目の感覚がずれることで入れ直しになることもあります。

レンズの種類もありますので保険が適用される単焦点レンズ、保険適用外の多焦点レンズをうまく選んでいきましょう。

それぞれ距離によって見え方が変わったり、近視・乱視などが改善するものもあるので、費用がかかっても良いという方には多焦点レンズがおすすめです。