白内障とビタミンCの関係とは?改善効果について解説
2021.10.15
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白内障はビタミンCを摂取することで改善効果が期待できるのでしょうか。
実は、欧米では、ビタミンCなどの抗酸化栄養素の摂取と老人性白内障発症率との関係について調査した追跡研究が多数存在しています。
この記事では、白内障とビタミンCの関係性から、改善効果について詳しく解説します。
白内障とビタミンCの関係
平成12年(2000年)に実施したアンケート調査で老人性白内障発症リスクを比較したデータが専門誌で論文発表されました。
こちら論文によると、ビタミンCの摂取量が多いほど、老人性白内障と診断される率が低くなるといったデータで、ビタミンCの摂取量が一番少ない人のグループよりも摂取量が多くなるにつれて発症のリスクが低くなる傾向がみられました。
具体的な数値で見ると、ビタミンCの摂取量が最も多いグループの発症リスクは、最も少ないグループに比べて、男性で0.65倍、女性で0.59倍の研究結果がでました。これをパーセントで表すと、男性では35%、女性では41%低くなったことになります。
これは、ビタミンCの摂取量が多い人ほど、老人性白内障の手術を受ける率も低くなると言えます。
また、血中のアスコルビン酸濃度が高い人で、低い人よりも白内障リスクが低いことも観察されています。
ビタミンCの体への効果
実際にビタミンCを摂取することで、体へどのような作用があるのでしょうか。
ビタミンCはアスコルビン酸とも呼ばれ、骨や腱などの結合タンパク質であるコラーゲンの生成に必要とされる化合物です。
カラダからビタミンCが不足してしまうと、コラーゲンが合成されなくなります。すると、血管がもろくなり出血を起こしやすい状態にしてしまいます。これが壊血病です。
そのほかの症状としては、
- いらいらする
- 顔色が悪くなる
- 貧血気味になる
- 筋肉の減少
- 心臓の障害
- 呼吸困難
などの症状を発症させてしまう場合があります。
ビタミンCを効率よく摂取することで、上記症状を抑えられるだけでなく、毛細血管・歯・軟骨などを正常に保ち、皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ作用や、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める効果が期待できます。
また、最近では、ビタミンCの抗酸化作用が注目されはじめ、がんや動脈硬化の予防、老化防止に有効であると期待されています。
白内障はサプリメントで改善できる?
すでに濁りきってしまった水晶体に対して、サプリメントでの改善効果は期待できません。白内障による水晶体の濁りは、クリスタリンタンパクというたんぱく質が加齢やストレスにより変質するのが原因です。一度変質を起こしてしまったたんぱく質は、サプリメントでは元に戻せないからです。
ですが、サプリメントを有効活用することで、白内障を事前に予防することは可能です。
サプリメントでは白内障の症状改善の効果は期待できませんが、発症および進行を予防することができるので、食事が不規則になりがちな方は、食生活のサポートとして試してみるのをおすすめします。
当サイトでは、「白内障に有効なサプリはある?発症を予防するのに効果的な成分を解説」のページで白内障に有効なサプリメントについて詳しく解説しているので合わせて確認してみて下さい。
白内障に効果的な栄養と食事
白内障の予防に効果的な栄養素には以下の成分があります。
- ビタミンC
- ルテイン
- アントシアニン
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンA・βカロチン
- ビタミンD
- ビタミンE
成分や摂取量の目安などは「白内障は食べ物で予防できる?効果的な栄養と食事とは」こちらで詳しく解説しているので気になる方は確認してみて下さい。
水晶体は、たんぱく質の酸化により白く濁ってしまいます。この酸化による濁りを防ぐために、抗酸化作用のある食べ物を摂取するのが大切です。
抗酸化作用のある上記栄養素が含まれる代表的な食べ物には、いちご、レモン、ブロッコリー、にんじん、ほうれん草、ピーマン、かぼちゃなどがあります。
これらの栄養素や食べ物を日常生活に取り入れることで、日頃から白内障をしっかりと予防していくことができます。
まとめ
今回は、白内障とビタミンCの関係性から、改善効果について詳しく解説してきました。
このページをまとめると、
- ビタミンCは老人性白内障発症率を下げられる
- ビタミンCは予防効果が期待できる
- ビタミンCでは白内障を治すことはできない
- 予防効果はあるので日常生活に取り入れる
以上となります。
ビタミンCを摂取することで進行してしまった白内障を治すことはできません。しかし、白内障になってしまうリスクを軽減させることができるので、普段からしっかりとビタミンCを摂取するようにすることをおすすめします。